2005 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニティビジネスのコラボレーション構築に関する国際比較研究
Project/Area Number |
15601007
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中村 陽一 立教大学, 法学部, 教授 (40285185)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北島 健一 松山大学, 経済学部, 教授 (60214798)
清水 洋行 東京学芸大学, 教育学部, 専任講師 (50282786)
藤井 敦史 東北大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (60292190)
李 妍えん 駒澤大学, 文学部, 専任講師 (90348889)
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Keywords | 社会的企業 / 社会的協同組合 / 社会的排除 / ソーシャル・キャピタル |
Research Abstract |
平成17年度は、まず6月に、明治大学の塚本一郎氏をリーダーとする研究グループとの共催で、東北大学に英国アストン大学のS.オズボーン氏をお招きし、英国ボランタリー・セクターにおけるパートナーシップを主題とした国際シンポジウムを行った。この国際シンポジウムでは、英国におけるパートナーシップ政策の実像とその問題点が浮き彫りとなり、英国社会的企業をめぐる制度的環境について理解を深めることができた。また、平成16年度の調査でヒアリングを行った英国社会的企業の中間支援組織SEL(Social Enterprise London)が出版したブックレットIntroducing Social Enterprise by Social Enterprise Londonの翻訳を、北島・清水・藤井を中心に行い、「社会的企業とは何か-イギリスにおけるサード・セクター組織の新潮流-」という表題で生協総合研究所から出版することができた。このブックレットは、非常に多様なために、これまで全体像を把握しにくかった英国社会的企業について、典型的かつ具体的な事例も踏まえつつ包括的に説明したものであり、実践家に対しても有用な書物だと言えるだろう。加えて、イタリアの社会的協同組合の発展を支えている制度的文脈や社会的背景について、主として文献研究を行い、それらを元に、藤井が2005年10月15日に行われた日本協同組合学会大会において「『福祉国家のリストラクチャリング』と社会的企業」と題する報告を行った。さらに,2006年1月下旬にこれまでの研究のまとめを報告する公開研究会を立教大学で開いた。調査研究を通じ、社会的企業が、各国ごとの制度的背景や社会的基盤によって、深く埋め込まれていることが理解でき、とりわけ市場競争を重視する英国社会的企業とローカル・コーポラティズム的な構造と密接に結び付いているイタリア社会的協同組合という極めて対照的な社会的企業のありようが存在することを把握することができた。
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Research Products
(4 results)