2003 Fiscal Year Annual Research Report
非営利・協同組合ネットワークの子育て支援のあり方に関する国際比較
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15601010
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Research Institution | Komazawa Women's Junior College |
Principal Investigator |
福川 須美 駒沢女子短期大学, 保育科, 教授 (10111064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近本 聡子 (財)生協総合研究所, 研究員
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Keywords | 子育て支援 / 沖縄 / 山形「育児サークルランド」 / 新座子育てネットワーク / 北区育ち愛ほっと館 |
Research Abstract |
今年度は、まず専門的知識を提供する研究協力者とともに研究会を開催し、研究計画・方法等について検討した。その結果、今年度の調査対象として、インフォーマルな子育て支援や地域の支援が高い出生率の背景にあると予想される沖縄県、および先行するNPOの活動を行政施策に取り組み連携を進める事例として、山形市の育児サークルランド「あーべ」、東京都北区の「育ち愛ほっと館」、埼玉県新座市の「子育てネットワーク」を選択した。沖縄調査(9月)においては、(1)県庁で聞き取り調査・資料収集を実施した結果、保育所不足による待機児対策に追われて、子育て支援にまでなかなか施策が届かない現状が明らかになった。(2)祖父母等の親族や地縁的な子育て家庭支援、地域に残る伝統文化等を通しての地域の教育力は脈々と受け継がれていることが確認できた。山形調査では、自らの子育て中に立ち上げた育児サークルから出発して、国の子育て支援施策の展開とともに県や市の施策との協力連携をすすめるNPO組織の聞き取り調査および資料収集を行った。(1)親子ひろばの事業を実施しているが、出発点であった育児サークルの活動支援も継続している。(2)事業内容として保育つき講座や行事の一時保育が比重を高めている。(3)女性の就労支援事業としてIT講習などを実施している。(4)運営費として行政の財政援助の占める比重は大きい。(5)主要スタッフの結束、役割分担が機能的で、運営の要となっている。新座の調査では、地域活動の源泉としての社会教育行政の重要性を再確認し、代表者のコーディネート力の高さに注目した。北区ではNPOと行政との関係変化に着目した。 来年度はカナダを訪問し、NPO組織と行政との連携協力、ボランティア・マネジメント等の実態を把握する予定である。
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