2004 Fiscal Year Annual Research Report
非営利・協同組合ネットワークの子育て支援のあり方に関する国際比較
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15601010
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Research Institution | KOMAZAWA WOMEN'S JUNIOR COLLEGE |
Principal Investigator |
福川 須美 駒沢女子短期大学, 保育科, 教授 (10111064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近本 聡子 財団法人生協総合研究所, 研究員
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Keywords | カナダと日本の子育て支援 / ファミリー・リソース・プログラム / カナダの父親支援プログラム / 生協の子育てひろば / NPOと行政 / カナダのCAPC |
Research Abstract |
最終年度は、第一にカナダにおける子育て家庭支援の現状調査および資料収集を行った。第二に国内の生協組合員活動による子育てひろばの実態を調査した。 カナダ調査は、研究協力者とともにオンタリオ州トロント市、グレイ郡、オタワ市およびBC州のバンクーバー市を訪ねた。近年カナダにおいては人間の一生における乳幼児期の重要性についての関心が高まっており、連邦政府も州政府も子どもの健全な育成に向けての様々な施策を打ち出している。少子化対策としてのわが国とは出発が異なっている。30年の実績を重ねているファミリー・リソース・プログラムは、それらの補助金つき事業を取り込みながら、行政および企業との連携など地域におけるネットワーク化を促進している。財政状況は厳しいが、政府の補助金のみに頼らず、様々な基金や資金援助を確保することで、一切を失う危機を回避し、また、政府が変わることによる政策変更に翻弄されずに自らの事業を地道に発展させていく工夫が行われている。わが国に比べて行政の手厚い財政支援があり、正規スタッフの賃金は保障されている。 わが国においては地域子育て支援事業やつどいの広場事業など、カナダのドロップインに似た事業も普及してきたが、最近では生協による子育てひろばも全国41生協、103カ所に開設されるまでになった。開催頻度、開催場所等は多様であり、スタッフの70%はボランティアという状態であるが、行政の委託事業を引き受けた例もある。生協の子育てひろばの特徴は自己完結型であり、今後は地域との連携が課題であろう。 この他にカナダでは父親支援が大きく発展している。連邦政府をはじめ州政府も本腰を入れて父親の重要性についての社会的啓蒙活動に取り組んでいる。詳細は成果報告書にまとめる予定である。
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