2004 Fiscal Year Annual Research Report
発生における細胞死阻害因子分解系の分子遺伝学的基盤
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15603008
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Research Institution | TSUKUBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小林 正友 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (40360549)
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Keywords | 細胞死 / ショウジョウバエ / IAP / ユビキチン / プロテアソーム / GFP / 複眼 / 唾液腺 |
Research Abstract |
多細胞生物ではその発生過程において、時期および組織特異的細胞死機構が働き、必要でない細胞の除去が実行されると考えられている。線虫から始まった細胞死の分子遺伝学的基盤研究は、ショウジョウバエからほ乳類に共通する細腕死誘導メカニズムの解明を中心に進められている。なかでもショウジョウバエに哺乳類にも存在するRINGフィンガーモチーフをもつIAP(Inhibitor of Apoptosis)ファミリー分子であるDrosophila IAP(Diap1)が存在し、共通する細胞死機構が存在することが知られている。IAPファミリーは生体内でタンパク分解系の一つのユビキチン-プロテアソーム系に必要なユビキチンリガーゼ(E3)活性を有し、哺乳類IAPファミリーであるXIAPやc-IAP-1等は細胞死シグナルをうけ、自己のユビキチン化後、分解を促されることが報告されている。Diap1の機能欠失型変異体でも早期に異常をきたし細死の促進が見られることから、細胞生存およびその維持にDiap1が重要な役割を担っていると同時に、タンパクレベルでのDIAP1の消失が細胞死進行のイニシエーターとして鍵となる可能性が出てきた。そこで、昨年度より改変GFPとDiap1を融合させた遺伝子をUASという酵母の転写因子の結合領域を含むプロモーターの下流につないだ構造を有するハエ系統と組織特異的(ここではキノコ体と唾液腺で発現できる)なエンハンサーでGal4を誘導できるハエ系統を掛け合わせて唾液腺でDiap1を可視化できる系をつくり、これにUASの未知の系統のハエを掛け合わせDiap1の緑の蛍光標識を消失させうる遺伝子の探索に着手した。そのため探索に用いるべきUAS系統としてGS系統(東京都立大作成)を複眼とキノコ体神経細胞で強制発現したときに異常がみられるものの探索を一次スクリーニングとして行ってきた。
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