2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳波と心拍からみる「ことば」と「からだ」による伝承-日本の伝統芸能がもつ普遍性-
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15604010
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
中西 智子 三重大学, 教育学部, 教授 (20093122)
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Keywords | 我が国の伝統芸能の継承形態 / 心拍 / 脳波 / 音楽認知 / 「からだ」と「形」 / 「ことば」と「口唱歌(くちしょうが)」 |
Research Abstract |
我が国の伝統芸能では、明治以来の西洋音楽が一般化された現在においても、リズムと旋律を「ことば」と「からだ」で記憶し、それぞれの芸能には独自の楽譜が使用されている。伝統芸能においては独自の「ことば」は、口唱歌(くちしょうが)であり、演じる「からだ」と一体となって認知されつつ伝承される。本研究では、「ことば」と「からだ」の伝承形態の普遍性について、大衆的な伝統楽器の和太鼓を使用して音楽理解との関係を実験的に明らかにしようとした。「ことば」と「からだ」で学習する場合に、習得度の向上と演奏時の心拍数が音楽理解とどのように関係しているか、演奏者に心拍計測器を装置してもらい、課題曲Aの練習時から本番までの心拍数の変移を記録した。その後、素人6人の奏者が演奏する課題曲Bについて心拍の計測と聴き取りを脳波で記録することで、演奏者自身の音楽習得による音楽認知を調べた。さらに、学習した課題曲AとBの編曲を聴取した場合、さらに、課題曲を全く学習していない被験者の脳波を比較検討した。 心拍については、課題曲Aを初心者と熟達者の2人を対象に、初心者の学習過程による心拍を計測し、熟達者と比較検討した。その結果、最終的には練習を重ねることで初心者の心拍数は熟達者に近づいた。課題曲Bでは、課題曲が完成するにしたがって、心拍数の差は演奏経験年数の違う6人の差は小さくなった。このことから音楽の演奏レベル向上による「ことば」と「からだ」の習得度は合奏という演奏形式を通して、音楽理解は心拍との関係があることを示唆できた。 脳波については、課題曲Bの聴取時の分析には、比較データのために2名の熟達者と演奏経験の無い8人を入れた。その結果、アルファ波とベータ波、交感神経と副交感神経については、演奏経験の差異と未経験者の差異は千差万別で明確な差異はなかった。しかし、和太鼓楽器の特性と推測できる聴取時のリラックス状態は高い傾向が認められた。
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Research Products
(1 results)