2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15604022
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Research Institution | The National Museum of Art, Osaka |
Principal Investigator |
宮島 久雄 独立行政法人国立美術館国立国際美術館, 館長 (00125220)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 美香 京都嵯峨芸術大学, 美術学科, 専任講師 (60352928)
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Keywords | 商業デザイン / 大阪 / 宣伝・広告図案 / 新聞広告 / ポスター / 百貨店 / 商業空間 / 20世紀 |
Research Abstract |
第2次世界大戦前、大阪の商業が活況を呈した時期に商業デザインも活発であり、欧米の近代デザインに学びつつも、他方では大阪市民各層のニーズに応じた独自の展開をしめしていた。本研究の目的はこれを各分野に業種に即して解明しようとすることであるが、本年は主として資料と作品の収集に努めた。 西村は松竹座など映画の広告(映画プログラム《「松竹座ニュース」「京都キネマクラブ」》、新聞広告、ポスター)を整理、広告に用いられた独特の書体に注目し、図案文字と新書体開発について解明した。今井は酒類・食品類の広告(ポスター、ラベル、引札)を整理し、販売促進の実態を調査した。菅谷は製薬業の広告(パンフレット類)を整理し、コピーが大衆薬の広告においても重要だったことを解明した。植木は市営交通、鉄道省線、各私鉄の広告を掲出枠との関係から整理した。宮島は大丸と高島屋の新聞広告を調査、森脇高行、柴田可寿馬、高岡徳太郎、今竹七郎の作品を整理し、アメリカの影響を受けながら、市内、近郊在住の市民のニーズに対応した大阪的な広告図案、イラストを分析した。下村は今竹七郎の神戸時代(大丸神戸店)、百貨店以外の仕事(福田源商店のランランポマードなど)を調査し、広告における女性に対する意識に注目した。井上は小美術店「柳屋」の広報活動を調査、分析した。 畑と徳山は百貨店等の商業スペースに注目し、畑はそごう百貨店(村野藤吾設計)のエレベータ扉装飾に携わった漆工・島野三秋、奥村霞城の仕事を調査し、徳山は阪急百貨店の開店、増築拡大、移転等の推移に注目し、百貨店の内装デザインが商業施設としてのイメージと機能を担いつついかに発展、展開したかを調査した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 西村 美香: "1920年代日本における映画広告にみる制作プロセス-データ編-"京都嵯峨芸術大学研究紀要. 第28号. 53-76 (2003)
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[Publications] 西村 美香: "キネマ文字と新書体開発"京都嵯峨芸術大学研究紀要. 第29号(印刷中). (2004)
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[Publications] 下村 朝香: "戦前におけるグラフィックデザインとその時代-今竹七郎の仕事-"美学論究(関西学院大学文学部美学研究室). 第18編. 85-99 (2003)
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[Publications] 宮島 久雄: "在阪百貨店新聞広告の近代化"デザイン理論(意匠学会機関誌). 第44号(印刷中). (2004)