2004 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル・ガバナンス-プロセス、有効性そして制度
Project/Area Number |
15605005
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
飯田 敬輔 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (00316895)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 宏 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (70288504)
土山 實男 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (00180018)
山本 吉宣 青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (20092025)
山田 高敬 東京都立大学, 法学部, 教授 (00247602)
|
Keywords | グローバル・ガバナンス / 国際制度 / 有効性 / 地球環境問題 / 同盟 / WTO |
Research Abstract |
本プロジェクトでは、山本が理論、土山が安全保障、太田が環境、飯田が経済、そして山田が環境と経済の横断を担当し、グローバル・ガバナンスにおけるプロセス、制度そして制度の有効性について検討した。プロセスについては、われわれが当初予想していた以上にアクターの多様化、政治活動のトランスナショナル化が進んでいることがわかる。それは環境や経済の分野におけるさまざまな非政府アクターの活躍やマルチステークホルダープロセスといわれる各種アクターを包含した政治プロセスの普及などにみられる通りである。制度についていえば、環境分野における京都議定書、カルタヘナ議定書など、さまざまな新制度が始動している。経済についていえば、WTOの誕生とその後の展開が最も新しいものであるが、BISやILOなど旧来からの制度にも新たな制度化が起きつつあることがわかる。また世界銀行のダム改革運動に見られるように、これまでの経済一辺倒からの開発からの方向転換がなされている点なども新動向といえよう。制度の有効性については、環境ではオゾン層保護レジームの有効性は良く知られている通りである。これは科学的知見にコンセンサスが生まれたことが大きい。それに対して気候変動では排出権取引など新たな社会実践を生む効果がある。経済ではWTOの紛争処理は有効に機能しているが、いまだコンセンサス形式で進む自由化交渉は一進一退を繰り返している。同じ機関であっても制度的違いによりこれだけの差が出るのは、制度的デザインの重要性を物語っているといえよう。また世銀のダム委員会のように説得がうまく機能するかについては非常に判断が難しい。このようにプロセスの多様化、制度化のさらなる進展、有効性の多様化(有効な制度と非実効的な制度の並存)というのが、われわれの結論といえよう。
|
Research Products
(7 results)