2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15607003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 伸泰 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (70211745)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯川 諭 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (20292899)
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Keywords | 非平衡緩和法 / 剛体粒子 / アルダー転移 / KT転移 / 分散系 / 動的指数 / アスペクト比 / 超スケーリング |
Research Abstract |
統計物理学・物性理論の主要な目標の一つは、原子・分子から出発して物質の相や相転移・臨界現象を理論的に記述し予測する事であり、計算機シミュレーションがそのためには不可欠であることは広く認識されている。このような目的の計算機シミュレーションの、最も有効な解析方法の1つが、1990年代に本研究代表者らにより提案された「非平衡緩和法」である。物性の基本的な問題を、非平衡緩和法を中心とした計算統計物理学的研究により解決することを目指した研究を遂行した。今年度の主要な研究成果は以下のとおりである。 ・剛体円盤系の固体・流体転移を主に非平衡緩和法により解析し、単分散系の転移の詳細と多分散系の性質とを解明した。単分散系については既に、非平衡緩和法によりKT転移2回を経て転移することを明らかとしたが、この転移に伴う相関関数および動的指数の値をゆらぎの非平衡緩和解析から得た。さらに大小2種類の剛体円盤が同数混ざった系を解析し、ある分散値で中間相が消失する原因が明らかとなった。さらにこの多分散系で、正方格子構造が安定である条件を得た。 縦横の大きさの比率に対し、有限系スケーリング関数が未知の臨界的依存性を持つことを示唆する結果を得た。これを「超スケーリング」と名づけた。
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Research Products
(3 results)