2004 Fiscal Year Annual Research Report
からみあい高分子ブレンドにおける高分子ダイナミクス新規高速計算手法の検討
Project/Area Number |
15607010
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Research Institution | National University Corporation Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
増渕 雄一 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 助教授 (40291281)
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Keywords | 高分子 / 分子シミュレーション / からみあい / 粗視化 / Primitive Chain Network model / ブレンド |
Research Abstract |
種子の材料の高性能化・高機能化にとって、異種材料とのブレンドは広く用いられる必須の技術となってきている、しかしブレンド界面でのダイナミクスは,材料が発現する機能と密接な関係にあるにもかかわらずよく解っていない、特に分子量の大きな高分子の場合には,からみあいという特有の問題があるために,従来の理論的・実験的枠組では解析しきれない問題が多数存在する.本研究は,からみあいのある高分子系をきわめて高速に計算できるまったく新しい手法,Primitive Chain Network (PCN)モデルのブレンド系への拡張に関する基礎理論の検討およびシミュレーターの基となる計算スキームの研究を行った.昨年度すでに平衡状態における相図の検証,およびブレンド物のレオロジーの検証をおこなっている.本年度は1)自由エネルギー項がダイナミクスと平衡状態に及ぼす影響を詳細に検討,2)ブロック共重合体への拡張理論の検討,3)巨大分子への自己多段計算法の開発,4)ミクロスケール計算へのマッピングの検討,を行った.まず1)はこの理論モデルの根幹であるが,ブレンドだけでなく均一系においても自由エネルギー項が影響をもつことが分かった.自由エネルギーに含まれる現象論的パラメーターのもでるにおける適用範囲を調べた.次に2)は,異種セグメントが混在するからみあいユニットの張力を理論検討し,ブロック共重合体への拡張を試み,試験的なプログラム作成までおこなった.3)は,1分子あたりのからみあいが大きな系への拡張のための計算スキーム開発をおこなったもので,均一系について論文化できた.今後ブレンド系への拡張を考えていく.4)はバネービーズ模型へのファイングレイン考えたものであるが,からみあいの定義の互換性をとることが難しく,成功していない.
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Research Products
(6 results)