2004 Fiscal Year Annual Research Report
並列計算機を使った分子動力学と可視化モジュールの融合手法の開発
Project/Area Number |
15607016
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
入澤 寿美 学習院大学, 計算機センター, 教授 (20101587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 悦郎 学習院大学, 計算機センター, 教授 (40212302)
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Keywords | 結晶成長 / 並列計算機 / 可視化 / 古典分子動力学 / 第一原理分子動力学 / OpenGL / 形状発展 |
Research Abstract |
計算機を使った計算において、一般に、収束の問題や局所的な極小値に拘束されてしまうことがある。本研究では、それらの問題を解決する方法を提案する。そこでは、可視化モジュールを組み込み、シミュレーションをしている系の振る舞いを画像として計算者に与え、解の物理的意味の確認と意味のない解の排除を行い、計算の効率をあげる。 研究計画の当初は、気相・固相界面における固体最表面での反応において、第一原理に基づく分子動力学計算パッケージに独自の可視化モジュールを組み込み、GaAs表面における水素分子の解離過程やGa原子への吸着過程におけるエネルギー遷移を計算し、実際の実験結果を定量的に説明することを目標とした。その研究成果として、 1.第一原理分子動力学パッケージ(FHI98MD)を、補助金により購入した設備備品である並列計算機を使って実行し、計算の途中過程をネットワークで接続された画像処理用計算機を使って、分散処理的に解を可視化できるようにした。 更に、本研究を進める過程において、可視化モジュールを組み込みことが有効と思われる、次の二つの計算の開発を行い,成果を上げた。 2.三次元物体の形状発展のダイナミクスを計算した。そこでは、表面の移動速度が曲率にのみ依存と仮定し,様々な初期形状から出発した際の形の時間発展について、形状の物理的安定性の確認と非合理な解の排除を、Open GLを使った可視化モジュールを組み込んで,形状を確認しながら計算を行った。その結果、計算速度と並列処理の両面から、計算の効率化を図ることができた。具体的な応用としては,積雪内での氷の変態過程を、可視化しながら計算することができる。 3.レナード・ジョーンズ・ポテンシャルを使った古典分子動力学計算において、温度勾配下で2種類の分子が拡散する様子を、初期状態から定常状態へ遷移する過程を、可視化しながら計算を行えるようにした。具体的には、ソーレ効果の数値実験を試行した。
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Research Products
(7 results)