2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15607020
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Research Institution | National Research Institute for Earth Science and Disaster Prevention |
Principal Investigator |
福山 英一 独立行政法人防災科学技術研究所, 固体地球研究部門, 主任研究員 (60360369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多田 卓 東京理科大学, 工学部, 助手 (40349840)
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Keywords | 地震断層破壊 / 境界積分方程式法 / 初期応用力場 / 断層摩擦構成則 |
Research Abstract |
1891年に発生した濃尾地震(M8)の動的破壊過程のシミュレーションを行った。断層の形状は、松田(1974)によって詳細に調査された、地震時に地表に現れた断層の形状より推定た。地表に現れた断層は、温見断層、根尾谷断層、梅原断層の3つであるが、地震前後に推定された水準測量のデータを説明するためにその存在が推定された伏在断層である岐阜一宮断層も考慮に入れた。断層に働いている応力は、この地震後100年間に国土地理院の三角測量によって得られたひずみ分布の主軸方向を参考に推定した。断層面上に働く摩擦構成則に関する観測データは存在しなかったため、実験室において得られたデータを外挿して用いた。得られた計算結果は、地震直後にOmori(1908)によってコンパイルされた被害分布を定性的に説明し、地震時に地表には現れなかった、伏在断層(岐阜一宮断層)が地震時に動いた可能性が確かめられた。現在のような高精度の観測が行われていない昔の大地震でも、パラメータを可能な限り現実に近く推定することで、数値シミュレーションにより、断層の破壊過程をうまく再現できることが示された。 さらに、2004年12月にサンフランシスコで開催されたAmerican Geophysical Union Fall Meetingにおいて、「Fault Structure, Stress, Friction and Dynamics」というタイトルのセッションを企画運営し、世界中から65件もの発表申し込みを受けた。
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Research Products
(1 results)