Research Abstract |
今年度の研究実績は大きく2つに分けることができる。 1.平成15年度は,MIDIデータをテキストに変換する方法について,様々な条件での実験を行い,結論として,音長を70チックから119チックごとに,sからzまでの英文字に対応させ,また,音高については,前の音との差分値をとり,半音高くなるごとに+1,半音低くなるごとに-1と定義し,-12から+12までをaからyまでの文字に対応させることとした。 これにもとづき,1990年以降の日本で発売されたポピュラーミュージック672曲のMIDIファイルをテキスト化し,テキストマイニングツールを用いて,検索や分類などの実験を行った。その結果,以下のことが判明した: 1)各々3つのサブクラスタを持つ,5クラスタに分けたところ."小室哲哉"の局はクラスタ1に,"つんく"の曲はクラスタ2に入ることが.統計的に有意であることがX^2検定の結果,示された。 2)1993年から2002年までのオリコンチャート50位以内に入った曲について分析したところ,各クラスタの時代による流行廃りを分析することができ,特にクラスタ4,5の曲については,1998年以降増加していることが明らかになった。 なお.これとは別に,MIDIデータではなく,スペクトログラムにもとづくマイニングについても行い,比較検討している(文献1)。 2.ストリームデータとは,"流れ"のあるデータのことであり,販売に関する時系列データも,ストリームデータと考えることができる。そこで,上記3)に示すような時系列による変化の分析に焦点を当て,花き卸データを対象として,2001年から2003年まで,いずれも5月期における花き卸販売データ(各々約40万件)を対象に,サポートと確信度の相対的変化にもとづき,アソシエーションルール(A⇒Bという形式のルール)分析を試みた。これにより,花き卸の専門家が直観的に感じていたことを,データマイニングの手法を用いることにより裏付けることに成功した。(文献2)
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