2003 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚情報表現の不動点に基づく聴覚的情景分析空間の構築
Project/Area Number |
15650032
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
河原 英紀 和歌山大学, システム工学部, 教授 (40294300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西浦 敬信 和歌山大学, システム工学部, 助手 (70343275)
入野 俊夫 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20346331)
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Keywords | 群遅延 / 不動点 / 時間-周波数表現 / 領域選択 / 非線形時間軸伸縮 / 多点計測 / 聴覚情景分析 / 可視化 |
Research Abstract |
聴覚の情景分析能力の追求から考案された不動点に基づく情報表現の中から、本年度は時間領域の不動点の性質の検討を進めた。その結果、日常的な環境において初期に到来する情報の重要性に注目した新しい音響測定法を提案するに至った。具体的には、時間軸をイベント時刻を原点として対数的に伸長しフィルタした後に時間軸を復元する処理により、一撃計算で重要な音響的特長を抽出できる方法として、まず結実した。本方法は、時間周波数領域の選択による初期特性の保護という性質を有しており、実信号を用いた伝達特性測定でのS/Nの改善等、広い範囲への応用が可能である。こうして可能となった高品質の音響測定を基盤として、新たな音場の制御方法を提案した。具体的には、複数のマイクにより測定された結果を、時間領域での基本的な量である群遅延を用いて相互干渉無しに統合する。さらに、ロボットによる自動計測法を開発し、日常的な環境下での音の伝播を可視化し、聴覚情景分析空間の構築に必要な基本的特性の把握を進めた。また、これらと並行して、実時間での複数マイクの受音による音源方向の推定およびスペクトルサブトラクションによる目的信号の選択法を開発した。さらに、時間方向の不動点に相当する音響的イベントに基づく混合音の分離法についても検討を進めた。これらの検討の一部については、国内の学会ならびに国際会議において報告している。これらの要素技術に基づいて、平成16年度は環境としての統合の検討を進める。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Masanori Morise, Hideki Kawahara: "A NEW ACOUSTIC MEASUREMENT AND COMPENSATION METHOD BASED ON LOGARITHMIC TRANSFORMATION OF THE TIME AXIS AND MULTI-LOCATION ACQUISITION"Proc.18th International Congress on Acoustics(採択). (採録予定). (2004)
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[Publications] Masanori Morise, Hideki Kawahara: "Logarithmic temporal axis manipulation and its application for measuring perceptually salient acoustic features of loudspeakers based on multiple observations"J.Acoust.Soc.Am.. 114. 2460 (2003)
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[Publications] Yuki Denda, Takanobu Nishiura, Hideki Kawahara: "Speech Enhancement with Microphone Array and Fourier/Wavelet Spectral Subtraction in Real Noisy Environments"Proc.Eurospeech'03. 2153-2156 (2003)