2004 Fiscal Year Annual Research Report
記憶術と機能的磁気共鳴画像法を用いる脳機能分析へのソフトコンピューティングの応用
Project/Area Number |
15650040
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
市橋 秀友 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30151476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本多 克宏 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80332964)
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Keywords | 脳機能画像 / 記憶術 / 記憶の固定 / ファジィクラスタリング |
Research Abstract |
記憶術で長期に固定された大量の記憶(英語の短文3000件)を元に,機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて,よく固定された記憶の検索における脳の賦活部位を明らかにするためにブロックfMRIと事象関連fMRIによる実験を行った.また,ファジィクラスタリングをベースとしたソフトデータ解析法を開発し,標準パッケージのSPM99やSPM2と比較検討した.ヘモダイナミクスの応答波形を開発したクラスター分析法で分類した結果から,実験に用いた想起法では広範な脳の領野が関わり,かつ,領野ごとに次第に変化することを明らかにした.特に,眼窩上皮質から側頭葉,視覚野に至るスライスにおいて後頭葉から前頭葉までの間が明確に層別された. さらに,クラスタリングにより腹側両面の前頭前野に明確な賦活が検出された.しかし,課題はすべて検索モードであること,想起終了後ピークまでに時間遅れが見られること,視覚野やブローカ野,ウエルニッケ野の反応と異なっていることなどから,検索後の評価とモニタリングが関係していると考えられる. 海馬や海馬傍回を含むMTL野の損傷がエピソード記憶に障害を起こすことから,これらの領野がエピソード記憶に関連していると考えられるが,今回の実験結果から,その応答波形は視覚野と前頭前野の中間的なものであると考えられる.また,fixationの間の応答は前頭前野の応答に類似していて比較的長い時間遅れがある. 長期の訓練を行っていない2名の被験者では広範囲でかつ明確な脳の賦活が現れないことから,場所法に基づく記憶法が脳の可塑性を生かした訓練の方法としても有効である可能性がある. 以下の1件の国際会議発表を行った. H.Ichihashi, K.Honda and S.Araki, Proc.of 2004 IEEE Int.Conf.Fuzzy Syst., #0022-1091(2004)
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Research Products
(4 results)