2004 Fiscal Year Annual Research Report
仮想空間構築用香り発生装置の試作と香り感性評価に関する研究
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15650041
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伴野 明 東海大学, 電子情報学部, 教授 (90328104)
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Keywords | ヒューマンインタフェース / バーチャルリアリティ / 嗅覚 / 映像 / 臨場感 / 心理・物理実験 / 芳香装置 / 感性情報 |
Research Abstract |
本研究の目的は、香りの高速な切り替えが可能な仮想空間構築用香り発生装置を試作すること、および、その応用として、香りと言語などのメディア変換法、映像や音楽に香りを付けコンテンツの付加価値を向上させる手法などを検討することである。本年度(2年目)は、香り発生装置の改良と香り付加の効果を検証するため様々な心理物理実験を行った。 1.香り発生装置の検討 (1)香り発生装置試作;昨年度提案した空気砲式香り発生装置について、問題点を分析し改善を図った。具体的には、空気放出時の音を静寂化させる方法、複数の香りを放出する方法、高速な香り切り替え方法、匂いを利用者に確実に提示する方法などである(特許出願中)。 (2)香り切り替え方法の検討;香り切り替えのために、香料を微粒子化する超音波振動子の駆動制御方法を検討した。超音波振動子は、高温になると破壊する問題があるため、素子温度によって駆動電流を制御する回路を提案した。 2.香りの感性評価 (3)香り付き映像コンテンツ;昨年度に続き、映画に香りを付ける方法について検討し、効率のよい香り提示方法を提案した(特許出願中)。また、瞳孔反射を用いた臨場感評価法を検討し、映画の中で、適切に香りを付けると、臨場感、内容理解が深まることを明らかにした。この成果を国内外で発表した。 (4)香り提示タイミング;映像コンテンツに香りを付加する際に、香り提示遅延が映像の品質にどのような影響を与えるかについて評価実験を行った。遅延が少ないと臨場感向上に効果があるが、許容範囲を超えると違和感が急速に高まる。提示タイミングの重要性を具体的に明らかにした。 (5)地理情報記憶支援;広いVR地理空間での作業において、嗅覚と触覚提示による記憶支援効果について検討した。盲人が外出する際の事前学習への応用をモデルにして、VR空間の構成物に香りをつけたときの記憶量について被験者実験を行った。香り付加の有効性を明らかにした。
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Research Products
(6 results)