2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高解像度2次元電気泳動法を用いた神経極性形成タンパク質のネットワーク解析
Project/Area Number |
15650058
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
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Keywords | 神経細胞 / 軸索 / タンパク質翻訳合成 / 細胞極性 / プロテオーム / 2次元電気泳動法 / 網羅的機能解析 / メタボリックラベル |
Research Abstract |
神経細胞は、1本の軸索と複数の樹状突起を有し極性を形成する。神経極性は、神経細胞の基本的な機能であるシグナルの入出力や統合に重要な役割を果たすにも関わらず、その形成および維持の分子機構は未だよくわかっていない。本研究は、我々が独自に開発した高感度2次元電気泳動法を用いて神経極性および神経軸索形成に関わる分子群を網羅的に同定し、神経極性や神経軸索形成の分子機構をシステマティックに明らかとすることを目的としている。 昨年度までの研究から、高感度2次元電気泳動法と質量分析装置を用いて82個の神経軸索に濃縮するタンパク質を同定した。興味深いことに、タンパク質の合成や分解に関連する分子がその内訳として20.8%と最も高い割合を占めていた。神経軸索内のタンパク質はこれまで主に細胞体で翻訳合成されて軸索に輸送されると考えられてきたが、最近、神経軸索内でのタンパク質の翻訳合成が軸索の伸長やガイダンスに重要な役割を果たす可能性が示唆されてきている。我々のデーターはこの考えをサポートするが、神経軸索内で翻訳合成されるタンパク質は現時点ではほとんどわかっていない。 そこでさらに本年度は、高感度2次元電気泳動法とタンパク質のメタボリックラベルを組み合わせることにより、神経軸索内で翻訳合成されるタンパク質の網羅的検出を試みた。その結果、驚くべきことに細胞体で翻訳合成されるタンパク質の大部分が軸索でも合成されることがわかった。またこれらの中から、軸索でより多く翻訳合成されるタンパク質15個を検出し、質量分析によりそのうちの12個の同定に成功した。これらの中にはニューロフィラメントやアクチン結合タンパク質など、神経軸索形成に重要な役割を担う可能性のある興味深い分子が含まれていた。
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Research Products
(3 results)