2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15650084
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
覚知 豊次 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80113538)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加我 晴生 独立行政法人産業技術総合研究所, 生物機能工学研究部門, グループリーダー
佐藤 敏文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80291235)
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Keywords | 多分岐多糖 / 熱カチオン開環重合 / 1,6-無水糖 / 1,2:5,6-二無水糖 / 球状多糖 / ゲル材料 / 外科用接着剤 / 人工血管 |
Research Abstract |
多分岐多糖(多分岐糖鎖)は1,6-アンヒドロ-β-D-グルコピラノースや1,6-アンヒドロ-β-D-マンノピラノースなどの1,6-無水糖を用いた熱カチオン開環重合、または、1,2:5,6-ジアンヒドロ-D-マンニトールなどの1,2:5,6-二無水糖を用いたカチオン開環-環化重合により効率よく精密合成できた。得られた多分岐多糖の分子量はモノマーと触媒の比、重合温度、重合時間により制御可能であった。また、この多分岐多糖は水、ジメチルスルホキシド等に良く溶ける多糖であり、高濃度でも低粘性という特性を有していた。構造解析の結果、生成した多分岐多糖は、分岐度が0.38から0.44程で、末端構造を約30%程度有するナノサイズの球状多糖であった。また、モノマーの選択により、生成多糖の分岐度や生分解性などの物性を変化させる事が容易であった。 この多分岐多糖は水酸基を多く含む反応性多糖であり、ジイソシアナート等との反応で容易にゲル材料を生成した。材料の生体適合性を向上する目的で、多分岐多糖にアミノ酸エステルイソシアナートを反応させ、多分岐多糖アミノ酸カルバメートを合成した。多分岐多糖へのアミノ酸残基の導入は反応時のアミノ酸エステルイソシアナートの添加量と反応時間により制御可能であった。多分岐多糖アミノ酸カルバメートとジイソシアナートを用いたゲル化は瞬時に進行し、弾力のあるゲルが生成した。この反応で得られたゲルは、両組成の割合や濃度の変化により利用用途に応じたゲル材料に出来ることから、外科用接着剤や人工血管のコーティング剤などの医療用材料としての応用が可能であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Satoh: "Cyclopolymerization of dianhydro sugar leading to novel carbohydrate polymers"Prog.Polym.Sci.. 29. 13-43 (2004)
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[Publications] T.Satoh: "Synthesis of hyperbranched polysaccharide by thermally induced cationic polymerization of 1,6-anhydro-β-D-mannopyranose"Macromolecules. 36. 6364-6370 (2003)
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[Publications] T.Imai: "Synthesis of hyperbranched 2,5-anhydro-D-glucitol by proton-transfer cyclopolymerization of 1,2:5,6-dianhydro-D-mannitol"Macromolecules. 36. 6359-6363 (2003)