2003 Fiscal Year Annual Research Report
多点低電流電気刺激によるリエントリ時心筋興奮伝播制御に関する研究
Project/Area Number |
15650087
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐久間 一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (50178597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本荘 晴朗 名古屋大学, 環境医学研究所, 助教授 (70262912)
児玉 逸雄 名古屋大学, 環境医学研究所, 教授 (30124720)
正宗 英津子 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (20345268)
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Keywords | 不整脈 / 光学マッピング / リエントリ / 膜電位感受性色素 / 電気的除細動 |
Research Abstract |
光学的マッピング計測により得られる心臓標本上の活動電位情報をリアルタイムでフィードバックし、標本上に複数配置した電極を選択し、目的の時間相で刺激を加えることを可能とする実験装置を開発するための第一段階として,0.1mmの微小な径を持つ,光学マッピングを妨げない電極を製作した。膜電位感受性色素Di-4-ANEPPSにより染色したウサギ灌流標本を高速度カメラ(256×256画素,MOS固体撮像素子,フレームレート490fps)で撮影することでその活動電位光シグナルを画像計測し,特定の活動電位光シグナル信号をトリガ信号として,透明電極中の1点から電気刺激を加えることが可能な膜活動電位光シグナルのリアルタイムフィードバック電気刺激システムを試作した。そして観測画像中の特定の観測点での活動電位を実時間で計測しつつ,その部位にある細胞の再分極レベルがあるレベルとなった時点から一定時間後に透明電極より心筋組織に刺激を加える実験を,ウサギ灌流標本を用いて行い,その動作を確認した。従来の一般的な刺激プロトコルである基本刺激と通電刺激の時間間隔を定めて刺激を行うS1-S2プロトコルでは,活動電位持続時間が種々の原因で延長あるいは短縮すると,刺激が加わる時点での細胞の興奮性はばらついてしまう。これに対して本システムでは再分極タイミングをリアルタイムで計測することで常に一定の興奮性を有するタイミングで心筋組織を電気刺激することを可能とした。再分極中の回復度合いをもフィードバックの閾値に利用可能としたことで,刻々変化する細胞の興奮特性の現れである活動電位の変化に様々な刺激パターンで心筋細胞,あるいは心臓全体の,微小な点から加えられた弱い刺激に対する応答を検討することが可能となった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 三嶋晶, 荒船龍彦, 小林英津子, 佐久間一郎, 稲田紘, 柴田仁太郎, 中川晴道, 仁瓶宗樹, 本荘晴朗, 神谷香一郎, 児玉逸雄: "細胞膜電位光学マッピング下の拡張期間隔フィードバック"生体医工学. 41. 378 (2003)