2003 Fiscal Year Annual Research Report
刺激応答型ポリロタキサンの液晶形成を利用した一次元駆動型アクチュエータ
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15650092
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
由井 伸彦 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (70182665)
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Keywords | ポリロタキサン / ポリエチレングリコール / ポリエチレンイミン / 包接錯体 / シクロデキストリン / ブロック共重合体 / 刺激応答 / アクチュエーター |
Research Abstract |
本研究は,刺激応答型ポリロタキサンが高密度に配向した液晶状態を形成する要因を明らかにし,ポリロタキサンの配向性が保持された架橋ゲルを調製することによって,外部刺激に応答したゲル変形が一次元に規定される機能の実現を目指している。本年度は、1)ポリエチレングリコール(PEG)とポリエチレンイミン(PEI)とのブロック共重合体の合成法の確立、2)異なるpHでのシクロデキストリン(CD)との包接挙動の解析、について推進した。 PEIとPEGのブロック共重合体は、PEGの両末端水酸基をシリル化したのち、オキサゾリンを開環重合、その後保護基を酸加水分解によって脱保護して得ることができた。ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)及び核磁気共鳴(NMR)解析から、PEI-block-PEG-block-PEIのトリブロック共重合体であることを確認した。このトリブロック共重合体をα-シクロデキストリン(α-CD)飽和水溶液中にこ添加すると白色沈殿が得られたことから、α-CDとPEI-block-PEG-block-PEIからなる包接錯体が得られることが明らかとなった。そこで、包接錯体形成時のpHを種々に変化させてみたところ、PEIのpKa以上になると包接錯体の収率が著しく増大したことから、PEIの二級アミンの脱プロトン化がCD包接のゲートとなることが示唆された。興味深いことに、pKa以下においても30%程度の収率が得られたが、PEIのみでは0%であった。このことは、PEI-block-PEG-block-PEIがプロトン化しているにも関わらずCDが包接可能であることを示しており、包接されたCDはPEG鎖に存在している可能性を示唆するものであった。以上のことから、PEI-block-PEG-block-PEIとα-CDとの組み合わせが刺激応答型アクチュエーターの基本骨格となることを見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.M.Huh, Y.W.Cho, H.Chung, I.C.Kwon, S.Y.Jeong, T.Ooya, W.K.Lee, S.Sasaki, N.Yui: "Supramolecular hydrogel formation based on inclusion complexation between poly(ethylene glycol) modified chitosan and α-cyclodextrin"Macromol.Biosci.. 4(2). 92-99 (2004)
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[Publications] H.S.Choi, T.Ooya, Y.Ohya, T.Ouchi, N.Yui: "Preparation and characterization of polypseudorotaxanes based on biodegradable poly(L-lactide)/poly(ethylene glycol) triblock copolymers"Macromolecules. 36(25). 9313-9318 (2003)
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[Publications] H.S.Choi, T.Ooya, S.Sasaki, N.Yui: "Control of rapid phase transition induced by supramolecular complexation of β-cyclodextrin-conjugated poly(ε-lysine) with a specific guest"Macromolecules. 36(14). 5342-5347 (2003)
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[Publications] H.S.Choi, K.M.Huh, T.Ooya, N.Yui: "pH- and thermo-sensitive supramolecular assembling system : rapidly responsive properties of β-cyclodextrin-conjugated poly(ε-lysine)"J.Am.Chem.Soc.. 125. 6350-6351 (2003)
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[Publications] 由井伸彦: "ナノバイオエンジニアリングマテリアル(監修:石原一彦)"フロンティア出版. 350 (2004)