2003 Fiscal Year Annual Research Report
加速度を利用し軟骨細胞と骨髄幹細胞を用いた培養軟骨・骨複合体の開発
Project/Area Number |
15650098
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
竹内 良平 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (30236442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 信 横浜国立大学, 大学院, 教授 (80166404)
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Keywords | 軟骨細胞 / メカニカルストレス / 振動 / 加速度 / ヒアルロン酸 / コラーゲンスポンジ / コンドロイチン硫酸異性体 / 3次元培養 |
Research Abstract |
コラーゲンスポンジを担体とする3次元ブタ軟骨細胞培養を行い、それに対するメカニカルストレスの影響についての研究を行ってきた。その結果、ヒアルロン酸とある種の振動を同時に加えて培養すると培養軟骨細胞が活性化されることを発見した。ここでは、振動とヒアルロン酸が培養軟骨に及ぼす影響について述べる。【方法】ブタ足関節より採取した軟骨を酵素処理にて単離し、コラーゲンゲルに懸濁し、コラーゲンゲルスポンジ上で培養した。初期細胞は、2×10^6個/mlとし、振動(V+)と非振動(V-)、さらに培養液中にヒアルロン酸添加(HA+)と無添加(HA-)の組み合わせの4群に分けた。培養後7,14日の培養液中のコンドロイチン硫酸異性体量(C6S、C4S)を定量し、組織学的観察を行った。免疫組織学的にはMAPK、FAK、beta catenin、beta-1 integrin alpha-1 integrinおよびphalloidinの抗体染色を行い、integrinを介した細胞内シグナル伝達系を観察した。さらに、電子顕微鏡像による観察も行った。【結果】培養後7,14日のC6Sの平均は(HA+、V+)、(HA+、V-)、(HA-、V+)、(HA+、V-)群それぞれ21.3と35.5pg/ml、18.1と33.8pg/ml、15.4と33.2pg/ml、12.4と26.2pg/mlであり(p<0.05)、C4Sはそれぞれ15.8と31.2、μg/ml、13.2と29.4μg/ml、11.4と28.4μg/ml、9.7と22.4μg/mlでいずれも(HA+、V+)群が高値を示した(p<0.01)。工学顕微鏡像では、培養2週後でスポンジ上に軟骨様細胞の多層構造を得た。免疫組織学所見では、MAPK、FAK、beta catenin、beta-1 integrin alpha-1 integrinおよびphalloidin等のタンパクは、(HA+、V+)群で顕著に発現していた。電子顕微鏡像では(HA+、V+)の細胞膜に多数の細長い突起の形成を観察した。また、細胞外に細胞器質様物質の旺盛な生成を推測させる所見が得られた。 【結語】振動刺激とヒアルロン酸は有意に培養軟骨細胞の器質合成を促進した。
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Research Products
(1 results)