2003 Fiscal Year Annual Research Report
再生毛細胆管の収縮を生み出す小型肝細胞収縮の同期機構のバイオメカニクス
Project/Area Number |
15650099
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
谷下 一夫 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (10101776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三高 俊広 札幌医科大学, がん研究所, 教授 (50231618)
池田 満里子 慶應義塾大学, 名誉教授 (00051368)
井本 正哉 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (60213253)
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Keywords | 肝細胞 / 毛細胆管 / 収縮運動 / 管腔形成 / 同期的収縮 / マイクロバイオメカニクス / 再生肝臓 |
Research Abstract |
肝臓再生は現在の臓器再生でも大きな期待が掛けられているテーマであるが、本研究グループの三高教授が増殖と分化に富む小型肝細胞を発見した。さらに小型肝細胞の培養によって世界で初めてコロニー内で毛細胆管を形成する事に成功した。毛細胆管は胆汁を送り出すために複数の細胞が同期して収縮しているが、細胞間の相互作用による同期のメカニズムを明らかにする事は、今後の肝臓再生の実現に1歩近づくことになり、極めて重要な段階と考えられる。 再生人工肝臓の実現を目標にして、培養小型肝細胞のコロニーによって発生された毛細胆管収縮を生み出す肝細胞収縮の同期機構に関して、マイクロナノバイオメカニクスの観点から明らかにする事を目的とする。具体的には、収縮に司るアクチンのダイナミカルな動作状態、細胞間コミュニケーションを司るギャップジャンクションやジャンクションに出現する蛋白の検出から、細胞間相互作用がどのように収縮同期を実現しているかを調べる。 小型肝細胞によって生体外に再形成された毛細胆管には,生体内の毛細胆管と同様のタンパク質が発現していた.また,タイムラプス画像の解析から収縮と拡張を繰り返していることが分かった.さらに,マイクロインジェクションの結果から毛細胆管内には一方向性の流れが確認され,胆汁を排泄する能力を持っていることが分かった.また,この毛細胆管の収縮は,A23187およびEndothlein-1によって収縮が促進されることから,細胞内遊離カルシウムイオン濃度の上昇を引き金としたアクチン-ミオシン系の運動であることが示唆された.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Tanishita, K, Sudo, R, et al.: "Bile canalicular formation in hepatic organoid reconstructed by rat small hepatocytes and nonparenchymal cells"J.Cellular Physiology. (in press). (2004)
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[Publications] Tanishita, K, Sudo, R, Ikeda, et al.: "Cellular Biomechanics Applied to Tissue Engineering (Plenary lecture)"Proc.First Asian Pacific Conference on Biomechanics. (2004年3月発表予定). (2004)
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[Publications] Tanishita, K, Sudo, R, Ikeda, M et al.: "Coordinated Contraction of Bile Canaliculi Reconstructed in Rat Small Hepatocytes."Proc.of the 2003 Summer Bioengineering Conf. (The award was given to this paper.). (CD-ROM). (2003)
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[Publications] 谷下一夫, 池田満里子, 他: "小型肝細胞による毛細胆管の形成とビリルビン排出機能"再生医療. 2(CD-ROM). (2003)
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[Publications] 谷下一夫, 池田満里子, 他: "凍結保存小型肝細胞における毛細胆管の形成と運動"生体医工学. 41. 399 (2003)
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[Publications] Tanishita, K, Ikeda, M et al.: "Reconstruction of Ductular Structure by Rat Bile Ductular Epithelial Cells"Proc.First Asian Pacific Conference on Biomechanics. (2004年3月発表予定). (2004)