2004 Fiscal Year Annual Research Report
テイラーメイド医療用DNAチップ製作に関する基礎研究
Project/Area Number |
15650102
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
岩渕 明 岩手大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00005555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 泰弘 岩手大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80344620)
今井 潤 岩手大学, 地域連携推進センター, 助教授 (50250634)
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Keywords | DNAチップ / テイラーメイド医療 / 金型技術 / プラスチック成型 / 転写性 / 非接触表面粗さ計 / プラスチック材料 / 電鋳 |
Research Abstract |
テイラーメイド医療用DNAチップをプラスチック射出成型で製作するための金型技術や,微細形状の成形性を検討する目的で研究を実施した. 昨年度製作した,レーザ変位計を用いた非接触表面粗さ形に対し,本年度は 1)3次元非接触表面粗さ計のソフトを完成し,接触式粗さ形の標準試験片を用いてその性能を確認した.確認項目は算術平均粗さRa,溝ピッチ,溝深さである.特に深い溝形状の側面はレーザの反射光の検知が不可能で,データの移動平均を用いた補間ソフトを用いた.また,測定のためのレーザ光の光量や測定の繰り返しの最適化をはかった. 2)金型には,微細加工したマイクロ流路(将来のμ-TAS開発の基礎技術)を施す必要があり,また微細形状をプラスチック成形品に転写する必要がある.そこで成型金型として電鋳金型を製作し,成型品への収縮率,転写性を6種類の材料により検討した.プラスチックの寸法収縮率の検討ではポリカーボネートが2%,ポリアミドが0.9%である.転写性では準備した金型は溝深さと幅が同じ100,200,500μmのマイクロ流路と,仕上げ面として研磨加工面,型彫放電加工面,型彫り放電加工面の研磨加工面,ワイヤカット放電加工面,シボ加工面の5種類である.使用したプラスチックは耐熱性を考慮して,非晶質ポリオレフィン,ポリスチレン,ポリサルホンユーテル,ポリサルホンレーデルの4種である.その結果,溝形状は収縮率1%程度であるが,仕上げ面の粗さはRaで評価したが,面の凹凸が激しいと面の粗さは転写率50%程度に減少する.またこの大きさは材料依存性を示し,ポリスチレンが最も転写性に優れている.また突起高さ分布から高い突起と深い谷が消失していることがわかった. 以上より,今後のプラスチック製DNAチップ材料の選択指針および金型設計指針を得ることができた.
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