2004 Fiscal Year Annual Research Report
ダブルリード機構を用いた音楽療法的呼吸筋訓練機器開発のための基礎的研究
Project/Area Number |
15650108
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
市江 雅芳 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (20193427)
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Keywords | 音楽療法 / 呼吸訓練 / リハビリテーション / ダブルリード |
Research Abstract |
昨年度は、オーボエとイングリッシュホルンを用いて基礎的な実験を行ったが、今年度はその結果をふまえ、リードのない木管楽器(フルート、リコーダー)、シングルリードの木管楽器(E♭クラリネット、B♭クラリネット、アルトサックス、テナーサックス)、ダブルリード(オーボエ、ファゴット)、金管楽器(トランペット)について、吹奏時の口腔内圧と呼吸筋の筋電図を計測した。 被験者は、アマチュアの演奏家で、日常的に当該管楽器を吹奏している。結果を述べる。リードのない木管楽器であるフルートおよびリコーダーは、口腔内圧数mmHgで、呼吸筋の活動は低い。シングルリードおよびダブルリードの木管楽器は、20mmHg〜60mmHg程度の口腔内圧を示し、呼吸筋は中等度の活動を示した。金管楽器であるトランペットの口腔内圧も同程度であったが、呼吸筋は大きな活動を示した。 次に、水圧を利用したチューブ式呼気実験装置を作成し、呼気時の口腔内圧と血圧および心拍数の関係を健常破験者において調べた。その結果、30mmHg以上では、血圧上昇および心拍数増加が認められ、循環系に影響を与えない口腔内圧は20mmHg以下であることが判明した。 以上より、呼吸筋訓練にはある程度の口腔内圧を必要とするシングルリードあるいはダブルリード機構を持つ木管楽器が適しているが、既存の楽器では循環系への影響が生じるため、口腔内圧が20mmHg程度で吹奏可能な、新たな木管楽器を開発する必要性が示唆された。
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