2003 Fiscal Year Annual Research Report
音響解析を用いた呼吸リハビリテーションの客観的評価について
Project/Area Number |
15650119
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
菅 俊光 関西医科大学, 医学部, 助手 (40288816)
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Keywords | リハビリテーション / 呼吸理学療法 / 肺音 / 音響解析 |
Research Abstract |
急性呼吸不全に陥り人工呼吸器管理を行なっている成人患者3例、呼吸器管理を行なっていない成人患者3例および人工呼吸管理を行なっている小児患者2例において呼吸理学療法(呼理法)前後の呼吸音を音響学的に解析した。人工呼吸器管理を行なっている成人患者2例、呼吸器管理を行なっていない成人患者2例および人工呼吸器管理を行なっている小児患者1例では、複数日に呼吸音の測定を行ない経時的な変化についても検討した。さらに、人工呼吸器管理を行なっている成人患者2例および小児患者1例で呼理法中の呼吸状態を測定した。呼吸音の解析は、呼吸音をサウンドスペクトルグラムに変換して呼理法前後で比較した。呼理法中の呼吸状態の測定・解析には呼吸管理モニターコズモプラス8100(ノバメトリックス・メディカル・システム社製)およびノート型マイクロコンピュータ(Sony社製VAIO)を用い、分時換気量、気道内圧、VCO_2、ETCO_2等を測定した。音響解析の結果は、分泌物によると思われるら音については呼理法前後でその変化を捕らえることができた。これらの変化は人工呼吸器管理を行なっている成人および小児例で顕著であった。特に、小児例では吸引前後にも呼吸音の変化を捉えることができ、吸引のタイミングの判断には非常に有用であると思われた。経時的な呼吸音の音響学的な変化(音の強さや周波数)については、周辺雑音の影響により比較が難しく今後の検討課題である。呼理法中の呼吸状態の解析では、呼理法中の体位変換時には分時換気量の低下、気道内圧の上昇、VCO_2の低下、ETCO_2の上昇などが認められた。呼理法施行以外の体位変換時にも十分な注意が必要であると思われた。呼吸状態の解析については、呼理法の手技との関係や分時換気量、気道内圧、VCO_2、ETCO_2以外のパラメーターについての検討が今後の課題である。
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Research Products
(1 results)