2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15650120
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
椿原 彰夫 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10138117)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝田 芙紗 川崎医科大学, 医学部, 助手 (80368662)
青柳 陽一郎 川崎医科大学, 医学部, 助手 (30286661)
平岡 崇 川崎医科大学, 医学部, 助手 (20351926)
|
Keywords | 筋線維伝導速度 / F-wave / 神経伝導速度 |
Research Abstract |
リハビリテーション医学において、廃用や筋疾患による筋萎縮や筋力低下の客観的評価は重要である。これらの病態による骨格筋の変化を評価する方法として、筋線維膜の脱分極する速度(筋線維伝導速度、以下MFCV)を計測することが有効であるといわれている。今回我々は、新しいMFCVの計測方法として、単一運動単位のF-waveを用いた方法を考案し、その再現性や有効性、さらには被験筋とその支配神経の伝導速度との相関について検討した。21名の健常成人を対象とした。当教室で作成した多列表面電極を両側の小指外転筋と短母指転筋に設置し、正中神経と尺骨神経を刺激して単一のF-waveを導出しF-MFCVを計測した。次に同被験筋より随意収縮によるV-MFCVを計測した。左右の正中神経と尺骨神経のMCVも併せて測定し、比較検討したMCVは尺骨神経の方が正中神経より早かったが、MFCVには両神経支配筋の間に差は認めなかった。またMCVとMFCVには相関は認められなかった。本計測方法では遅い運動単位の検出が可能であると考えられ、過去の報告と比較してもほぼ同様の伝導速度が得られた。被験者への侵襲が少ない上、意識障害のある患者でも検査が可能であり、臨床にも応用できる検査方法であると予想される。本研究結果は、2003年度の臨床神経生理学会で報告し、雑誌に投稿中である。 次に、本検査法の機序の解明ならびに疾患への応用の可能性を知るために、ラットを用いた筋線維伝導速度の検討を並行して行った。健常ラットを対象とし、独自に作成した多列表面電極を用い、坐骨神経を刺激することで大腿二頭筋からF-waveを導出してMFCVの計測を行ったF-waveの導出には多少の技術的課題があることが知られ、現在この手技の確立に努めている。
|