2005 Fiscal Year Annual Research Report
肢体不自由者の水泳運動のシミュレーション解析および補助具の開発に関する研究
Project/Area Number |
15650131
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中島 求 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教授 (20272669)
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Keywords | 水泳運動 / 肢体不自由者 / 補助具 / シミュレーション解析 / スポーツ科学 / 福祉工学 / 流体力学 |
Research Abstract |
1.平成16年度までに試作した水泳用補助具について,肢体不自由者の水泳合宿に参加し,複数の肢体不自由者から意見の聴取を行った.その結果,本補助具の有効性が確認された. 2.平成16年度までに検討した上腕切断の一種類以外の肢体不自由についてシミュレーションにより検討した.具体的には,両下肢麻痺,片下肢切断,片麻痺の三種類の肢体不自由を対象とした.まず始めに泳映像からわかる水泳運動の特徴を挙げて水泳運動に影響を与える因子を推定した.次にその因子が水泳運動に与える影響をシミュレーション解析により明らかにした.得られた知見を肢体不自由別に以下に示す. 両下肢麻痺 下肢の屈曲・伸展の状態に着目し,股関節,膝関節の角度を変化させてシミュレーション解析を行った.その結果,関節角が10度のとき,体幹と両下肢に受ける推進方向の流体力すなわち抵抗が最も小さくなり,ストローク長および推進効率はともに最も大きくなった.また両下肢の膝関節,股関節の角度によって体幹,両下肢が受ける抵抗および揚力は異なり,その結果泳速度および推進効率に影響を与えることが明らかとなった. 片下肢切断者 バタ足の関節角と位相に着目してシミュレーション解析を行った.その結果,健常者の標準的なバタ足の関節角の1.6倍前後が効率が良く安定して遊泳できることがわかった.また位相については,右下肢切断の場合,右上肢のキャッチからプルにかけての時刻と左上肢のキックの瞬間が一致するような位相でバタ足をすることによって適切な体幹のロール運動が可能となることがわかった. 片麻痺者 バタ足の位相に着目してシミュレーション解析を行った.その結果,左上肢のキャッチからプルの動作の時に左下肢をキックするような位相でバタ足をすると,上半身が持ち上がりにくく,泳速度および推進効率が良く安定して遊泳できる傾向が見られた.
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Research Products
(3 results)