2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15650158
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
土居 幸雄 京都女子大学, 家政学部, 教授 (40172233)
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Keywords | ビタミンK / 納豆 / ペプチド / Caco-2 / メナキノン |
Research Abstract |
骨細胞のCa代謝には血液凝固に必要なビタミンK以上の量が要求され,ビタミンK含量の高い納豆の摂取は、骨粗鬆症の予防に有効である事が報告されている。我々は、納豆菌の生産するビタミンKが特異的な糖ペプチド成分(vitamin-K binding factor ; KBF)と結合し、安定なミセルとして可溶化されていることを見いだしており、このKBFの存在がビタミンKの体内への消化吸収を促進しているのではないかと考えている。実際,納豆に含まれるビタミンK2(menaquinone-7;MK-7)は植物由来のビタミンK1よりも吸収率がよく,納豆を同時に摂取したとき,野菜中のビタミンK1の吸収も促進されることを観察した。そこで本年度は、腸管上皮培養細胞Caco-2を用いてビタミンK1、ビタミンK2におけるKBFの細胞膜透過促進効果を検討した。 ビタミンK(VK1,MK-7),トリグリセリド(TG),タウロコール酸ナトリウムおよびKBFをミセル形成のため超音波処理したものを試料とした。培養したCaco-2細胞に、試料を添加して、添加直後と4時間後におけるビタミンKの透過率を測定した。 はじめに,KBFを添加せずMK-7に100μM,200μMのTGを添加したミセルを試料として用いた場合、透過率はそれぞれ2.5%,7.3%となった。この試料に0.5μg/mlのKBFを添加した結果、透過率は,TG 100μM,200μMでそれぞれ8.9%,8.8%、と上昇し,適当な濃度のTGの添加によりKBFのMK-7細胞透過促進効果が見られた。つぎに,ビタミンK1にTG 100μM,200μM添加したとき,それぞれ10.1%,5.4%となり,この試料にKBFを添加したものではそれぞれ5.8%,6.0%となった。ビタミンK1ではMK-7で観察されたKBFによる細胞透過促進効果はみられず,ヒト経口摂取の場合と異なる結果が得られた。
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