2003 Fiscal Year Annual Research Report
超音速流れ場中の液滴凝縮を利用したナノ大気エアロゾルとガス成分の同時測定
Project/Area Number |
15651004
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
金岡 千嘉男 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (00019770)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 光彦 金沢大学, 工学部, 助手 (00334756)
古内 正美 金沢大学, 工学部, 助教授 (70165463)
|
Keywords | 大気エアロゾル / ガス成分 / 超音速流れ / ナノ粒子 / 時間解像度 |
Research Abstract |
1)ナノ大気エアロゾル高速・高精度分級特性の最適化の検討 (1)定在衝撃波形成位置に及ぼす装置構造の影響 大気エアロゾルに作用する慣性効果に及ぼす装置構造の影響について、装置内流れ場の数値解析を行って検討した。検討項目は、ノズル出口周囲の形状、粒子捕集プローブの幾何学形状、クリアランス(ノズル出口-捕集プローブ間距離)であり、ノズル下流で急速膨張が得られる円形ノズルの検討も行った。この結果、矩形ノズルでは、捕集プローブ前面に形成される定在衝撃波が捕集プローブに最も接近して慣性効果が最大となるクリアランスが存在すること、ノズル出口と捕集プローブ周辺での気流急拡大は慣性効果を高める一方で、「よどみ点流れ」の形成を阻害する場合があること、円形ノズルはよどみ点流れを維持しながら高い慣性効果を与えられることなどを明らかにした。 (2)粒子分離特性 流れ湯中の粒子運動を解析し、装置構造と粒子分離特性の関係を調べた。また、分離特性改善と粒子沈着ロスを低減するためのノズル壁面とノズル中心軸に沿った清浄空気流(シースフロー)の効果を検討した。この結果、定在衝撃波-捕集プローブ間距離と50%分離径に良い相関があること、シースフローにより分離特性が大幅に改善され、矩形および円形断面でそれぞれ100nm、50nm前後の分離径とシャープな分離特性を持つ装置を設計できることを示した。 2)ナノ大気エアロゾル粒子分級・濃縮装置の設計・試作とサンプリング 1)で設計した装置を製作し、大気エアロゾルサンプリングを行って、空気中水分の凝縮が粒子分離特性、捕集粒子の成分(炭素、PAHs、水溶性成分)に与える影響を検討した。また、上流にPM1分級装置を設置した検討も行った。この結果、硝酸塩、硫酸塩成分の消失が顕著であること、インパクター上流での水分除去により硝酸塩粒子の消失を大幅に軽減できることなどを明らかにした。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 古内正美, 金岡千嘉男: "超音速バーチャルインパクターの粒子分離特性に及ぼす装置形状の影響"第20回エアロゾル科学・技術研究討論会誌演論文集. 171-172 (2003)
-
[Publications] M.Furuuchi, S.Kato, C.Kanaoka, et al.: "Comparison of Components of PM Samples collected in Japan and Other East Asian Countries"Proc. The 2nd Int. Workshop on Sandstorms and Associated Dustfall. 38 (2003)
-
[Publications] M.Furuuchi, C.Kanaoka et al.: "Components of TSP Samples during Asian Dust Storm 2003"Proc. The 2nd Int. Workshop on Sandstorms and Associated Dustfall. 80 (2003)
-
[Publications] C.Kanaoka, M.Furuuchi et al.: "Radioactivity and Organic Pollutants in Pan-Japan Sea Area"Proc. The 2nd Int. Workshop on Sandstorms and Associated Dustfall. 7 (2003)
-
[Publications] M.Furuuchi, C.Kanaoka: "Influence of Geometry of Supersonic Virtual Impactor on Separation Performance of Ultra-fine Aerosol Particles"Proc. 3^<rd> Asian Aerosol Conference. 135a-135b (2004)
-
[Publications] 古内正美, 清水良保, 金岡千嘉男: "超音速バーチャルインパクターの微粒子分離特性に及ぼす装置形状の影響"化学工学会第69年会講演予定. (2004)