2003 Fiscal Year Annual Research Report
溶融プラスチックからの脱ハロゲン用高温水蒸気マイクロリアクタの開発
Project/Area Number |
15651031
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阪田 祐作 岡山大学, 工学部, 教授 (70032951)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARAGOZ Selhan ベンチャー・ビジネス・ラボラトリー, 非常勤研究員
BHARKAR Thallada 岡山大学, 工学部, 助手 (40359881)
武藤 明徳 岡山大学, 工学部, 助教授 (00174243)
山田 嘉昭 岡山県産業技術振興財団, 科学技術コーディネーター(研究職)
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Keywords | マイクロリアクタ / 臭素系難燃剤 / 脱臭素化 / 水熱処理 |
Research Abstract |
本研究の目的は、臭素系難燃剤含有ポリスチレン系プラスチック(以下、Br含有プラスチック)の化学リサイクル処理において、プラスチックから難燃剤成分を分離除去し、固体ポリスチレンを回収するプロセスを構築することである。 すでに本研究グループは、Br含有プラスチックからの脱Brプロセスとして、オートクレーブを用いた水熱反応を利用することにより98%以上のBr分が除去できることを確認している。このプロセスは回分式であり、工業操作としては連続化が望ましい。 この結果に基づき、連続的に水熱処理を行い、深度脱臭素化を実現するマイクロリアクタの設計・製作を行った。連続水熱処理を可能にするため、「溶融状態のBr含有プラスチックを押出し機により連続的に反応場へと供給し、反応器内で高温水蒸気と接触させ、Br分を分離除去し、精製プラスチックを系外に設置した水中へ回収する」ことを念頭に、「ノズル型マイクロリアクタ」の開発を行った。このリアクタは、「星形」ノズル孔を有し、水蒸気との接触面積を広くとることができる。さらにプラスチックの内側と外側の両面から接触させることが可能であるため、水蒸気との接触面積拡大による脱臭素化の促進を期待した。 本年度は接触させる水蒸気温度を140℃から350℃まで可変できるように、高周波加熱方式を導入するなど装置改造を重ねた。 現段階の脱臭素処理結果としては、リアクタ温度280℃,接触水蒸気温度350℃の温度条件で、試料Br含有プラスチックに水素化剤としてのPPと混合処理することによって、脱臭素率は75%まで向上し、徐所にではあるが、オートクレーブでの脱Br処理結果に近づいている。 今後は、現時点で判明した深度脱臭素化に必要な条件および問題点を考慮し、温度条件などの実験操作法の確立および新たなノズル型マイクロリアクタの開発等により、オートクレーブと同等の脱臭素性能を達成する連続処理プロセスの完成を目指す。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.A.Uddin, T.Bhaskar, T.Kusaba, K.Hamano, A.Muto, Y.Sakata: "Debromination of flame retarded high impact polystyrene by Hydrothermal Treatment and Recovery of Bromine free plastics"Green Chemistry. 5. 260-263 (2003)
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[Publications] T.Bhaskar, K.Murai, T.Matsui, M.Brebu, M.A.Uddin, A.Muto, Y.Sakata, K.Murata: "Studies on thermal degradation of Acrylonitrile-Butadiene-Styrene copolymer(ABS-Br) containing brominated flame retardant"J of Analytical and Applied Pyrolysis. 70. 369-381 (2003)
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[Publications] T.Bhaskar, T.Matsui, M.A.Uddin, J.Kaneko, A.Muro, Y.Sakata: "Effect of Sb_2O_3 in biominated heating impact polystyrene (HIPS-Br) on thermal degradation and debromination by iron oxide carbon composite catalyst (Fe-C)"Applied Catalysis B : Environmental. 43. 229-241 (2003)