2003 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄島における持続可能なし尿・生活排水処理システムに関する研究
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15651040
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Research Institution | Okinawa University |
Principal Investigator |
桜井 国俊 沖縄大学, 人文学部, 教授 (50251343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山門 健一 沖縄大学, 法経学部, 教授 (80078013)
宇井 純 沖縄大学, 法経学部, 名誉教授 (90010834)
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Keywords | 沖縄島 / 持続可能性 / 水需給 / 畜舎排水 / 高率補助金 / 公共下水道 / 回分式酸化溝 / 渇水 |
Research Abstract |
(1)研究代表者・分担者の会合を2004年6月11日に沖縄大学で開催し、研究方針の詳細について討議した。 (2)2004年7月19日に開催された沖縄大学地域研究所連続シンポジウム第3回「開発と環境のせめぎあい-生活世界からの環境学」において、研究代表者が本萌芽研究の狙いについて講演した。またシンポジウムの広報を兼ねて、事前に地元2紙に寄稿し、研究の意義について広く沖縄の地域社会に訴えた。 (3)2004年9月中旬にフィールド調査を実施した。フィールドとしては、沖縄の水問題が集約的に表れている座間味村をモデルに選び、同村(座間味島、阿嘉島、慶留間島の3島からなる)の渇水状況、下水道施設整備状況について調査した。座間味村では、水資源が極度に乏しいにもかかわらず、「有能な」村長が高率補助金を次々と導入し、座間味島では環境省の補助よる特定環境保全下水道を、阿嘉島では農林水産省の漁業集落排水事業を、そして慶留間島では農林水産省の農業集落排水事業を建設したが、排泄物を水で流す方式が果たして水資源の極度に乏しい座間味村で持続可能なシステムと言えるのかどうか、検証を開始した。これら下水道が本格供用開始となるのは2005年4月であり、座間味村を含め沖縄全島は10年ぶりの渇水に見舞われているため、2005年度の調査結果が期待される。 (4)沖縄は中国からの影響で本土に比べ豚肉食が多い独特の食文化を有する。このため零細な畜産農家が多く、畜舎排水は垂れ流しに近い状態で、水系汚染が著しい。2004年10月31日までで畜産廃棄物処理法の適用猶予期間がきれるため、これら畜産農家は適切な処理を求められているが、希釈水を多消費する本土の処理システムは沖縄においては適正とは言いがたい。そこで研究分担者の宇井純が開発した「沖縄型・回分式酸化溝」を普及するためのマニュアルづくりを進め、2004年1月に刊行した。 (5)同マニュアルを使用した普及シンポジウムを、宇井純を講師に畜産農家を招いて2004年1月17日に開催した。
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Research Products
(1 results)