2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体機能性ポリマー鎖を用いた半導体ナノ結晶の配列制御
Project/Area Number |
15651058
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
杉村 陽 甲南大学, 理工学部, 教授 (30278791)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 郁朗 甲南大学, 理工学部, 助教授 (30203582)
稲田 貢 独立行政法人情報通信研究機構, 関西研究センター, 専攻研究員 (00330407)
長崎 幸夫 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (90198309)
小堀 裕己 甲南大学, 理工学部, 助教授 (90202069)
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Keywords | 半導体ナノ結晶 / ポリマー鎖 / 配列 / 結合 / 共鳴エネルギー移動 / 生体センサー / SiC / Siナノ結晶コロイド |
Research Abstract |
本研究は、半導体ナノ結晶がポリマー鎖を介在して結合した系を形成し配列させることを目的としている。前年度、生体ポリマー鎖を介在して結合したCdSナノ結晶と有機色素分子の系において約40%のエネルギー移動が起こっていることを示した。この系の時間分解スペクトルを研究した結果、このエネルギー移動はDexter型の共鳴エネルギー移動でありCdS有機色素間距離の6乗に反比例する事が明らかになった。そしてエネルギー移動の大きさからこの距離を見積もると数ナノメートルとなり、実際の距離と同程度の大きさになる事がわかった。これらの結果は、エネルギー移動を利用した生体センサーを開発していく際の設計指針を与えるものであると考えられる。 CdSナノ結晶のみで有機色素が入っていない系では、異なる大きさのCdSナノ結晶間でのエネルギー移動はストークスシフトが大きいため起こりえないと考えられる。しかし、この系でCdS濃度を大きくしていくと発光ピークエネルギーが高エネルギー側へシフトすることが明らかになった。ここでも各ナノ結晶間で何らかの相互作用が起こっている可能性があると考えられる。また、CdSeナノ結晶コロイドの発光特性を調べた結果、発光-再吸収過程に基づく、異なる大きさのナノ結晶間でのエネルギー移動が起こっていることが明らかになった。 Siナノ結晶のコロイドを作成する試みに関しては、液体中でのレーザアブレーション法により発光効率の高いナノ結晶のコロイドを得ることができた。Siナノ結晶の存在は電子顕微鏡やラマン分光測定から確認した。またこの系の発光特性を解析したところ、強い発光はSiCからである可能性が高い事が明らかになった。Siナノ結晶とSiCの両者が共存した系が形成されているものと思われる。
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Research Products
(6 results)