2004 Fiscal Year Annual Research Report
三次元ナノパターンニング弾性基質の作製と再生医工学への応用
Project/Area Number |
15651069
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
渡辺 敏行 国立大学法人東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究部, 教授 (10210923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤池 敏宏 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (30101207)
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Keywords | 2光子励起重合 / 2光子吸収 / ハイドロゲル / 再生医療 / 細胞培養 |
Research Abstract |
ハイドロゲルを効率良く2光子励起重合するため、アゾメチン化合物をベースにし、その両末端のアミノ基にカルボニル基を導入した親水性開始剤を合成した。従来の親水性開始剤はその2光子吸収断面積が100GM(1GM=1.^<-50>cm^4s/photonmolecule)程度しかなかった。これに対して我々が開発したアゾメチン誘導体の2光子吸収断面積は約650GMあることが判明した。この分子はカルボニル基がアミノ基の不対電子対を引きつけるため、最大吸収波長は短波長側にシフトし、その2光子吸収断面積はカルボニル基の無い分子と比較して半分に低下した。しかし、非共鳴波長領域の2光子吸収断面積は他の化合物と同じであった。 2光子励起重合により、2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)からなるマイクロニードルアレイをガラス基板上に作製した。マイクロニードルアレイの太さは約0.8μm、長さ7μm、間隔は5μmであった。また、ポストの弾性率は架橋剤の導入率により1x10^3Pa〜4x10^3Paの範囲で制御できた。このマイクロニードルアレイ上で繊維芽細胞である、Swis-3T細胞を培養し、ニードルの曲がり方から、細胞が発生する牽引力を測定した。マイクロニードル上では細胞は活発に移動し、細胞分裂も起こすが、平らな基板上では、細胞の移動は殆ど起こらなかった。この時、細胞が発生している牽引力はpNのオーダーであった。この値は従来報告されているバルク基板上で培養された細胞が発生している牽引力より3桁低かった。このような3次元の形状が制御されたマイクロニードルは細胞の機能制御に大変有用であることが判明した。
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Research Products
(7 results)