2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元マイクロマシニングによる微小細管の作製と血球細胞の解析
Project/Area Number |
15651071
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
南谷 晴之 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70051779)
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Keywords | マイクロマシン / 微小細管 / 3次元微細加工 / グレイスケールリソグラフィ / SU-8 / PDMS / 血球細胞 / 血小板 |
Research Abstract |
PDMSの型となるネガ型フォトレジスト(SU-8)に対するグレイスケールリソグラフィを行い、形成したレジストの3次元構造体をPDMSに転写して、感光性ガラスより透明なPDMSの3次元流路構造体、すなわちPDMSを基板とするμ-Fluidic Deviceの作製を行った。これにチャネル構造の覆いとなるPDMS対向基板にサンプル流出入孔を設け、両者を圧着して3次元微小細管を作製、またマイクロポンプを装着し、流量可変のサンプル液量制御を行った。別途Au・Kr電極を真空蒸着した薄板状ガラス基板をサンドイッチ構造に圧着して電界効果を利用したサンプル制御を行った。これは複素誘電率ε_p^*の微小サンプルが複素誘電率ε_m^*の媒質内に浮遊しているとき、この媒質の両側に不平等電界E_<rms>を印加すると、誘電泳動力F_dが電界の二乗の勾配に比例する力としてサンプルに作用するという誘電泳動現象を利用したものである。この誘電泳動力によりデバイス内のサンプルを旋回・攪拌することが可能となる。サンプルの検出系には高速ビデオ画像処理方式を使用し、血球細胞とくに血小板の凝集状態を蛍光可視化解析することに成功した。本研究では、数値シミュレーションにより誘電泳動力に対する電界強度、印加周波数、電極配置、サンプル誘電率、サンプル粒子径などの諸パラメータの依存性を検討した。上記で得たμ-Fluidic Deviceに対して、以下の検討を行った。(1)流路の流体力学的特性評価、(2)サンプルの旋回流れの観測、(3)機械的手段を用いないサンプルの攪拌・混合・沈殿防止・壁面付着防止の実現、(4)血球細胞とくに血小板の流動・粘着能の評価、などであるが、実測結果は数値シミュレーションともよく一致し、赤血球の変形流動能の観測や血小板凝集能亢進過程の観測に有効であることが示された。
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Research Products
(7 results)