2004 Fiscal Year Annual Research Report
イネゲノムの高次構造の機能解明に向けたダイナミックなDNA欠失改変
Project/Area Number |
15651088
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
寺田 理枝 基礎生物学研究所, 分子遺伝学研究部門, 助手 (30137799)
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Keywords | 遺伝子ターゲティング / 欠失変異 / Waxy / アルコール脱水素酵素 / Adh / エピジェネティック / クロマチン構造 / 相同組換え |
Research Abstract |
エピジェネティックな遺伝子発現やクロマチン構造の解析からゲノム全体の高次構造の制御機構の解析することをめざして、相同組換えを介した遺伝子ターゲティング法を用いて、遺伝子の特定領域を削除した欠失変異イネを作出することを検討した。すでに確立したWaxy遺伝子ターゲティング法に基づきWaxyのコード領域約3.0kbの欠失と、冠水ストレスに関わるアルコール脱水素酵素(Alcohol dehydrogenase:Adh)遺伝子Adh1とAdh2遺伝子が、第11染色体短腕上に約30kb隔てて同方向に並んでいるため、Adh1とAdh2のハイブリッド遺伝子を形成させると同時に約30kbを欠失させるゲノム改変を進めた。Waxy欠失ターゲティングでは、ターゲティング・ベクター構築を完成し、ターゲティング形質転換実験を繰り返しおこなった。実験規模は従来のWaxyノックアウトターゲティングの6倍強を実現できる様な、実験手法のノウハウを蓄積した。強力なポジティブ・ネガティブ選択の生存カルス、約1,300個PCR法によるスクリーニングを行った結果、合計で、5系統の相同組換え系を得た。それぞれの系統のカルスより、再生植物を育成しつつ、植物体での、waxy欠失個体の解析を継続している。少なくとも2系統の植物で、モチ型の表現型が観察され、少なくともwaxyの機能の欠失が生じていることが明らかとなったが、分子レベルでの詳しい解析を継続している。Adh1とAdh2の大規模欠失についてもターゲティング・ベクターの構築は終了して、ターゲティング形質転換実験を開始して、PCR解析によって相同組換えの生じたカルスが1系統得られているが、予備的なサザン解析では、完全な相同組換えの生じた証拠は十分得られず、ターゲティング形質転換実験を継続してさらに新たな系統を見いだすためのスクリーニングを行っている。
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Research Products
(6 results)