2003 Fiscal Year Annual Research Report
セルフ・アクセスおよびポートフォリオを用いた自律学習支援とその効果
Project/Area Number |
15652037
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
清水 律子 山陽学園大学, コミュニケーション学部, 助教授 (40269981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 靖子 山陽学園大学, 講師 (00341165)
中野 香 山陽学園大学, 講師 (00259582)
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Keywords | self-access / metacognition / reflection / self-assessment / motivation / goals / anxiety |
Research Abstract |
本年度の研究目標は、(1)英語における自律学習のための学習支援形態のプロトタイプを設計し、学習の外的環境を整備してプログラムを実施すること、および(2)学習者のメタ認知力の実態把握とその育成を試みることの2点であった。まず「セルフ・アクセス学習プログラム(プロトタイプ)」を設計し、リーディングとリスニングの2種類4クラスの授業で実施した。このプログラムは2つの主要素:「自律学習の指導」と「学習体験」で構成されている。「自律学習の指導」は、学習者のメタ認知力(計画力・観察力・評価力)の養成を目的とするもので、この指導に従い学習者は既設のラーニングセンターで「学習体験」を行う。そのため「自律学習の指導」に必要なワークシートを作成し、ラーニングセンターで使用する教材を作成・維持・管理するなど、プログラム実施のための環境づくりを行った。 次に、リスニングの学習記録を分析することで学習者のメタ認知力の実態把握も試みた。そして、メタ認知的方略の使用度と学習動機との関係を検証し、その結果を2003年度大学英語教育学会全国大会で発表した。今回の分析によると、学習者のほとんどが頻繁に自分の英語力の問題点を認識しながら学習を行っている反面、認識した問題点の原因分析や対策についてはあまり考えていない様子が明らかになった。また、学習を計画する方略を頻繁に使う学習者ほど、学習意欲や目標意識が高く、間違うことへの不安度が低いことが分かり、メタ認知的方略の使用が学習意欲と密接な関わりを持っていることが示唆された。 最後に、本年度のプログラムで使用した教材の見直しを行い、来年度に向けて手薄だったレベルの教材補強と、新たな分野の教材準備も行った。
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