2004 Fiscal Year Annual Research Report
考古学教育の理論と方法 -考古資料の教材化を中心に-
Project/Area Number |
15652043
|
Research Institution | Osaka City Cultural Properties Association |
Principal Investigator |
岡村 勝行 (財)大阪市文化財協会, 調査研究部・事業企画課・企画担当, 係長 (70344356)
|
Keywords | 考古学教育 / パブリック考古学 / 文化遺産 |
Research Abstract |
本年度は3年計画の研究の第二年目であり、考古学教育の実地調査を行ない、国内外のケーススタディの蓄積に努め、その成果をもとに研究報告を行った。今年度当初の目標では、実践的な教材開発のために、いくつかの作品(ハンズオン)を試作、教材のテスト・評価をする予定であったが、残念ながら十分行なうことができなかった。ただ、類似例を実地調査で蓄積しており、現時点でも有効な教材化の見通しを得ている。 考古学教育に関する諸外国の研究事例や研究方法論を調査するために、10月にソウルで行なわれた国際博物館会議(ICOM)の2つの委員会に出席した。海外の多くの事例を収集するとともに、日本の考古学教育に関する研究発表(「考古学、文化遺産、教育とつなぐ-なにわ考古研究所-」、「文化遺産の歴史の応用-大阪歴史博物館」)を2度行ない、各地の考古学者・博物館教育担当者と情報交換することができた。その結果、これまで考古学教育と呼ばれているものも、「普及啓発的・教育的な内容」と「多様な視点からの解釈・活動を促進する内容」という二つの指向性が存在しており、それに相応した取り組み・実践が存在するという見通しを得ることができた。前者は文化財の価値を一方的に伝える、伝統的な考古学・文化財教育であるが、後者は近年、話題にされた「考える力」や「総合的学習」に通じる指向性である。 以上の点を次年度の資料の類型化、統一したフォーマットに生かし、研究成果の充実に努めたい。 また、これまでの英国の考古学教育の資料収集・調査をまとめて、「英国における文化遺産研究の理論と実践」として公刊した。
|
Research Products
(4 results)