2003 Fiscal Year Annual Research Report
草創期民俗学における女性民俗研究者の研究史的位置づけ
Project/Area Number |
15652047
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中込 睦子 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (60302337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉石 あつ子 跡見学園女子大学, 文学部, 助教授 (60316669)
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Keywords | 女性民俗研究者 / 主婦論 / 民俗学史 / 瀬川清子 / 能田多代子 / 江馬三枝子 / 生活史 |
Research Abstract |
本研究では、草創期民俗学における女性研究分野で主導的な役割を果たした、瀬川清子、能田多代子、江馬三枝子の3名の女性民俗研究者に焦点を絞り、女性研究者の研究視点、学問形成と時代状況および個々の生活史的背景との関連を問い、女性研究者の研究業績を学史的に正当に位置づけることを課題としている。初年度に当たる平成15年度は、その基礎作業として、3名の年譜作成・著作目録などの作成を通じて、それぞれの等身大の人物像を描き出すとともに、同時代の研究者との学問的交流、女性民俗研究会など女性研究者相互のネットワークの把握・再評価を試みた。このため、各女性研究者が研究に着手する経過とその主体的動機、研究内容の生成発展過程を明らかにすべく、能田の故郷であり主たる研究の舞台でもある青森県五戸地方(8月31日〜9月3日)、瀬川の故郷であり蔵書等の所蔵先である秋田県鹿角市(10月9日〜12日)および主要な調査地の一つである沖縄本島と久高島(5月24日〜26日)において、関係資料の収集と関係者への聞き取り、関係施設の視察を行った。これと併行して、とりわけ書誌学的研究が遅れている能田・江馬については、著作の収集と雑誌記事・研究会記録等に記載されている各々の研究経過を示す事項の検索・データベース化をすすめ、あわせてすでに作成されている瀬川の書誌目録・年譜の確認・増補作業もすすめつつある。これらは、すべて研究代表者と研究分担者との共同作業として行われており、その中から発展した研究上の課題の一部は研究分担者によって成果報告がなされている。また、データベース化については特に依頼した研究協力者の協力を得ており、次年度以降も作業を継続して、より正確な書誌目録・年譜の完成、公開を目指す予定である。
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Research Products
(1 results)