2004 Fiscal Year Annual Research Report
草創期民俗学における女性民俗研究者の研究史的位置づけ
Project/Area Number |
15652047
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中込 睦子 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 助教授 (60302337)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉石 あつ子 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (60316669)
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Keywords | 女性民俗研究者 / 主婦論 / 民俗学史 / 瀬川清子 / 能田多代子 / 江馬三枝子 / 郷土研究誌 |
Research Abstract |
本研究では、草創期民俗学において女性研究分野で主導的な役割を果たした、瀬川清子、能田多代子、江馬三枝子の3名に焦点を絞り、女性研究者の研究視点、学問形成とその時代状況、および個々の生活史的背景との関連を問い、女性研究者の研究業績を民俗学史の中に正当に位置づけることを課題としている。第2年度に当たる平成16年度は、前年度に作成した3名の年譜・著作目録(原案)の充実を図るべく、それぞれの研究歴とその背景についてより詳細な資料収集を行った。特に書誌学的研究の遅れている能田・江馬について、著作の収集と雑誌記事・研究会記録等に記載されている関連事項の検索を継続すると共に、研究に着手する初発の動機と研究課題の生成・発展にかかわる当時の学問状況、とりわけ昭和初年の各地方郷土研究誌の発行状況と誌上を通じた同時代の研究者との学問的交流について、関係者への聞き取りを含めて資料収集を行った。能田については、研究の出発点となった夫能田太郎の故郷熊本県南関町(2月11日〜13日)及び主たる研究対象である青森県五戸地方(3月5日〜7日)において関連資料を収集し、江馬については、研究誌を主催し研究の拠点となった高山市(12月20、21日、1月21日〜23日)において資料収集するとともに、研究の動機付けを行ったとされる夫江馬修について岡山県美作(10月28日〜30日)において関係者への聞き取りを行った。また、瀬川については、民間伝承の会結成当時の研究状況について、成城大学その他(10月25,26日、3月14日〜16日)で資料検索を行った。これらは、すべて研究代表者と研究分担者との共同作業として行われており、収集した資料について随時整理・検討を行う検討会を実施しつつ資料の共有化を図っている。また、3名の年譜・著作目録の作成については、前年度に引き続いて特に依頼した研究協力者の協力を得て確認・増補作業を継続しており、より正確な年譜・書誌目録の完成、公開を目指す予定である。
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