2004 Fiscal Year Annual Research Report
科学技術法学の体系構築に向けての日欧米の比較法研究
Project/Area Number |
15653006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斎藤 誠 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 教授 (00186959)
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Keywords | 科学技術法 / 参加手続 / 計画間調整 / 規制法 / 振興法 |
Research Abstract |
科学技術法学の体系構築に向けての理論・実証研究の第2年度である今年度は、昨年度のヒアリングの成果をも踏まえ、さらに日独の関連文献の分析を行うとともに、ドイツにおいて、日独法学シンポジウム「先端技術の挑戦を受ける法」に参加して、「日本におけるバイオテクノロジーと憲法」と題する報告を行ったのを機に、バイオテクノロジーの振興と規制に関する日本の近時の動向について、本研究の問題関心にそって分析を加えるとともに、科学技術と法の関係に関して、ドイツおよび日本の研究者と討論を行い、多くの示唆を得ることができた。 本年度の成果としては、 1 科学技術に関する基本計画、個別計画における、公的セクターと私的セクターの関与のありかたについて、バイオテクノロジーを中心とした分野の各種審議会の位置づけと機能を対象に、日独の比較を行い、人的構成、手続、情報の開示、計画への反映のさせ方について、法律によるコントロールを高めることが、実効的かつ社会的アクセプタンスを高めるために不可欠の要素であることを論証した。 2 実体法については、昨年度のヒアリングで得た、振興法・規制法の断片性・不整合による研究開発の阻害問題に関して、計画問調整機関・手続きの存在と利害関係団体の適正な参加という手法が有効であることを、比較法の観点から論証した。 3 1・2を踏まえて、科学技術の実体法・手続法・組織法の現状につき整理・分析し、あるべき体系について次年度の試論提示に向けての準備を進めた。
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Research Products
(2 results)