2003 Fiscal Year Annual Research Report
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15653007
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
阿部 信行 白鴎大学, 法学部, 助教授 (90285958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇佐美 誠 中京大学, 法学部, 教授 (80232809)
駒村 圭吾 白鴎大学, 法学部, 助教授 (00285959)
荒木 教夫 白鴎大学, 法学部, 教授 (60285947)
大石 和彦 白鴎大学, 法学部, 助教授 (40250659)
川本 隆史 白鴎大学, 文学部, 教授 (40137758)
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Keywords | 丸山真男 / 国家緊急権 / 国家自衛権 / 戦争・暴力・ジェノサイド / 復讐・赦し / 賠償 / 南アフリカ / 真実和解委員会 |
Research Abstract |
「殺戮後の歴史和解プロセスの法理」研究会は、本年第1年度、 a)その研究面につき、2日間集中審議方式で研究会を秋・冬計2回(延べ日数4日、27時間弱、計7本の報告・討論を)おこなった。なお外部交流型研究会とシンポジウムについては、当初の研究計画とは異なり、初年度開催は見合わせた。 実質7回にわたる本年度研究会からは以下のことが明らかとなった-- ・「移行期」は格別に設定する必要があるものなのか否かという論点 ・真実委員会/真実和解委員会の区別、南ア特有の後者じたいをどう評価するか、また後者方式にみられる<司法的正義との接続>をどう評価するのか ・司法的正義にどこまで期待できるのか ・法の支配をどう捉えるのか、そこにどこまで修復的正義を期待できるのか ・遡及法禁止原則への対処問題とも関わる「コモンロー的発想」の重要さ・発現局面・正体、事物本性論とのつながり、歴史的妥当の観念や歴史貫通的正義理念とのつながり。 以上が、研究題目のうちの<法理>にかかわるものだとすれば、次はどちらかといえばその対象<殺戮後の歴史和解プロセス>にかかわる-- 南ア以外のアフリカ事例、その他諸地域の事例、についての知見集積の必要性 ・ミノウパイオニア的著作から何を学び取り、今後にどう活かすのか、活かし方のひとつとして事例の集積・整理の方法・観点。 b)資料収集・現地調査については研究員それぞれが別記のとおりあたった(自費収集については略)が、次年度は地域的偏りを補正し、既論点の掘下げ・新論点の発掘に努める所存である。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 阿部信行: "丸山によって丸山をこえる:書評今井弘道著『丸山真男研究序説:<弁証法的全体主義>から<8.15革命説>へ』によせて"風のたより(風行社). 20号(2段組み). 1-3 (2004)
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[Publications] 宇佐美誠: "正義・和解・民主:クリストドゥリデゥス教授への応答"社会と倫理(南山大学・社会倫理研究所編). 15号(2段組み). 20-23 (2003)
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[Publications] 宇佐美誠(翻訳): "E.A.クリストドゥリドゥス「法による和解の約束:南アフリカの真実和解委員会」"社会と倫理(南山大学・社会倫理研究所編). 15号(2段組み). 4-19 (2003)
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[Publications] 宇佐美誠(翻訳): "E.A.クリストドゥリドゥス「再応答:真実和解委員会の成功と失敗」"社会と倫理(南山大学・社会倫理研究所編). 15号(2段組み). 44-50 (2003)
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[Publications] 宇佐美誠: "真実究明と損害賠償:南アフリカの事例"法律時報. 76-1(4段組み). 72-76 (2004)
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[Publications] 駒村圭吾: "「国家の自衛権」という虚構"ジュリスト. 1260号. 147-149 (2004)
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[Publications] 駒村圭吾, 荒木教夫(翻訳): "マーサ・ミノウ『復讐と赦しのあいだ:ジェノサイドと大規模暴力の後で歴史と向き合う』"信山社. 276 (2003)