2003 Fiscal Year Annual Research Report
公的サービスにおける受益と負担:地域間世代間格差に関する研究
Project/Area Number |
15653019
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
肥田野 登 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (90111658)
|
Keywords | 受益と負担 / 財政 / 教育 / 公共投資 / 世代間公平性 / 地域間公平性 |
Research Abstract |
本研究では、第一に、理論研究において、2地域世代交代動学モデルを構築する。第二に、定量的分析として、公的セクターが提供するサービスの受益と負担を集計し、その地域間世代間格差の実態を明らかにする。平成15年度の研究実績は次の通りである。 1.理論モデルの構築 理論研究として2地域世代交代モデルを構築し、その動学的特性を明らかにした。本年度は、モデルの基本的な構造を解明し、解の特性をみきわめるために、もっとも単純なコブ・ダグラス型生産関数を仮定した。 (1)2地域世代交代モデルの構築: 多期間の2段階ゲームとして定式化した。一段階目では若年者が教育をどの程度受けるか決定し、二段階目に移住する確率を決定するゲームとした。 (2)動学モデルの解を求めた (3)中央政府の2地域への資金配分について、厚生分析の方法を検討した。 2.定量的研究の準備 受益および負担の集計対象の定義を行い、適切な集計方針をきめた。このために、経済学および財政学の関連文献を整理し、以下の点について理論的な検討を行った。 (1)公共事業の受益の定義と計測方法の決定 (2)財政投融資による受益の定義と計測方法の決定 (3)間接税負担の地域への割り振り方法の決定 (4)法人税負担の地域への割り振り方法の決定 (5)特別会計への財政投融資に関する扱い方 (6)公団等の扱い方 また、1970年度から2000年度までの財政支出関係資料の収集および試験的な集計を行った。
|