2004 Fiscal Year Annual Research Report
起業家タイプ、起業機会の認識、資金調達、起業後のパフォーマンスに関する実証分析
Project/Area Number |
15653022
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
忽那 憲治 神戸大学, 経営学研究科, 助教授 (00275273)
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Keywords | 成長企業 / 雇用創出 / 新規開業企業 |
Research Abstract |
本研究では、Storey(1994)の分析枠組みに沿った形で質問票を作成したアンケート調査のデータの集計結果を示しながら、中小企業の雇用成長に影響を与える3つの要因の中の1つである、経営戦略に関連する要因がどのような影響を与えているのかについて見てきた。従業員や経営者自身の訓練に対する経営者の積極的な姿勢と雇用創出との間にはかなり明確な傾向を見て取ることができる。経営者と親戚関係にない個人から出資を受けているのかどうかという点から外部株主の導入に対する姿勢を見ると、外部株主の導入に消極的な経営者が圧倒的に多いことがわかるが、雇用創出は外部株主導入に積極的な企業において大きくなっており、先行研究と同様の結果が示されている。市場でのポジショニングと雇用創出との間にも明確な関連性を見て取ることができる。また、新規顧客・販売ルートの開拓や新製品・新サービスの開発を重視している企業の雇用創出が大きくなっていることも示された。一方、市場における競争企業数と雇用創出との関連性は明確ではない。情報とアドバイスの利用に関して、同業種、異業種、大学・研究機関とのネットワークの構築に対する経営者の姿勢と雇用創出との関連について見たが、あまり明確な傾向は示されていない。 成長中小企業を輩出するプールの拡大という点から、新規開業の促進が重要な政策課題であるということは事実であろう。しかし一方で、雇用の大部分は少数の成長中小企業から生み出されているという事実をふまえ、雇用創出に向けた有効な中小企業支援策のあり方を議論する必要がある。
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Research Products
(2 results)