2004 Fiscal Year Annual Research Report
24時間型社会に対する適応方略の開発に関する探索的研究
Project/Area Number |
15653055
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 光緒 広島大学, 総合科学部, 助教授 (00238130)
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Keywords | 短時間仮眠 / 作業・休憩計画 / 睡眠・覚醒管理技術 / 覚醒水準 / 眠気 / 作業成績 / 交代制勤務 |
Research Abstract |
【目的】24時間型社会に適応するための睡眠・覚醒管理技術として、夜間に覚醒を維持する方略を検討することを目的として、申請者が午後の眠気を改善するための方法としてその有効性を確かめてきた20分の短時間仮眠が、深夜未明の夜勤作業中においても有効であるかどうかを検討した。【方法】睡眠習慣に乱れがない大学生9名(平均22.3歳)が実験に参加した。全員が、02:00に20分の短時間仮眠をとる条件と、仮眠をとらずに休憩する条件の両方に参加し、いずれの条件でも、深夜00:00から08:00までコンピュータを用いた課題を行った。課題の成績を測定すると同時に、眠気や疲労など主観的測度の測定、および覚醒度の指標として安静時の脳波を計測した。【結果】20分間の仮眠時間中、睡眠時間は、16.3分(SD=2.9)であった。起床直後2分間は、仮眠/休憩前と比較して、眠気・疲労には有意な増加は認められなかった。すなわち、仮眠による悪影響である起床直後の眠気(睡眠慣性)は、このような短時間仮眠では認められなかった。また、仮眠/休憩後3時間、仮眠条件の方が、休憩条件よりも眠気が有意に低かった。コンピュータ課題においても、仮眠/休憩後2時間は、仮眠条件の方が成績が有意に高かった。また、低覚醒を示す脳波θ・α帯域(4-11Hz)パワは、仮眠条件では、仮眠後5時間、抑制されていたのに対して、休憩条件では休憩直後から上昇していた。【考察とまとめ】以上の結果から、午前2時における20分の仮眠は、仮眠後2〜3時間、覚醒水準や作業成績を維持する効果があることが示された。申請者はこれまで、日中の短時間仮眠にも2〜3時間、覚醒水準を維持する効果があることを示しており、これらの結果を合わせると、2〜3時間毎に短時間仮眠を繰り返すことが、日中・夜間にかかわらず覚醒を維持するための方略として有効である可能性を示している。
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Research Products
(5 results)