2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15653078
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
二井 正浩 国立教育政策研究所, 基礎研究部, 総括研究官 (20353378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 智仁 兵庫教育大学, 大学院・学校教育研究科, 教授 (90228651)
寺田 登 国立教育政策研究所, 研究開発部, 教育課程調査官 (60353398)
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Keywords | 現代史 / 授業 / 内容構成 / 歴史教育 |
Research Abstract |
この研究は,現代世界・現代社会を理解させるという歴史教育本来の目的を十分に果たせていない歴史教育の実態を改善するために,「現代史」という科目の可能性を科目の内容構成および授業構成のレベルにおいてさぐる研究である。具体的には,(1)諸外国において,現代史の内容と授業がいかなる原理で構成されているかを明らかにする,(2)日本国内で実践された優れた現代史の授業を収集し,分析・分類し,その原理を明らかにする,(3)日本で実施するのに適した現代史の内容構成および授業構成のモデルを提示する,という3点について研究する。平成15・16年度は,現代史学習と歴史学習の概念の相違をどのようにとらえるべきなのかについて,歴史学のアプローチをもとに整理した。その結果,歴史学のアプローチは歴史家が抱えている現代の問題状況を説明するために,過去を再構成するものであることが明らかになり,現代史は現代の抱える様々な問題状況について考察・説明するために過去を再構成する形式をとる主題学習の形態が望ましいのではないかという仮説を立てた。平成17年度は,このことについてイギリスとアメリカ合衆国の現代史にあたる部分の教科書を分析し,両国の教科書が大まかには時系列の内容構成になっている一方で,各項目は現代の諸問題について探求させる構成になっていることを明らかにした。そして,実際に現代の諸問題の中から,民主主義の問題と平和(紛争)の問題をとりあげ,日本の中高校生に実施可能な授業モデルを開発した(具体的には,ナチス=ドイツ期の大衆民主主義の問題を扱ったものと,冷戦後の地域紛争の問題を扱ったもの)。今後は,イギリスとアメリカ合衆国の教科書分析で明らかになった現代史の内容構成上の特徴を生かして,日本の中高構成向け内容構成モデルの開発等を具体的におこない,その有効性について検証を進めていきたい。
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Research Products
(2 results)