2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654001
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
村林 直樹 山形大学, 理学部, 助教授 (80261676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 拓士 山形大学, 理学部, 助手 (90333947)
梅垣 敦紀 上智大学, 理工学部, 助手 (60329109)
上野 慶介 山形大学, 理学部, 助手 (10250911)
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Keywords | 虚数乗法論 / アーベル多様体 / チータ関数 / KP方程式 |
Research Abstract |
主偏極CM型アーベル多様体がある代数曲線のヤコビ多様体となるための必要十分条件を対応するCM体の言葉で書き下すことが本研究のテーマである。そのために、京大の塩田氏により証明されたKP方程式に関するNovikov予想に着目し、KP方程式と虚数乗法論の関連を探ろうというのがアイデアでる。 本年度の目標は、Novikov予想・KP方程式に関連する文献を読み、それらに関する知識を深めることであったが、それはほぼ達成できた。具体的には、1.代数曲線から波動関数が構成され、その波動関数が満たす微分方程式を考えることにより、ある種の擬微分作用素が構成され、その作用素の係数にKP方程式の解があらわれるというKricheverの理論;2.テータ関数がヤコビ多様体からくる為の必要十分条件は、そのテータ関数がKP hierarchy (KP方程式を含む無限個の微分方程式)の解になることであるという事を示し、更に、KP方程式から残りの微分方程式が成立するようにうまくベクトル場がとってこれることを示すことにより、Novikov予想を解決した塩田の理論;3.塩田の証明から、微分方程式に関するテクニックを極力排除し、幾何的な証明を試みたArbarello, Concini, Mariniの仕事;4.KP方定式の解全体が普遍グラスマン多様体を形成するという佐藤理論等を学んだ。次年度は、これらの知識を基に、KP方程式と虚数乗法論の関連、特にKP方程式とアーベル多様体の自己準同形写像との関連に関して深く考察する予定である。 なお、本研究とは直接の関連はないが、本年度に「On the field of definition for modularity of CM elliptic curves」という題名の論文を書き、現在、Journal of Number Theoryに投稿中である。
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Research Products
(1 results)