2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654002
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桂 利行 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (40108444)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮岡 洋一 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50101077)
|
Keywords | 正標数 / カラビ・ヤウ多様体 / チャーン類 / 普遍族 / 超曲面 / コホモロジー群 / a数 / ミラー対称性 |
Research Abstract |
van der Geer氏とのCalabi-Yau多様体に関する共同研究が中心になった。d-1次元射影空間の中の4次元カラビ・ヤウ超曲面を考える。π:X→Bをその普遍族、Lを相対超平面切断、ν=π_*(Ω^<d-2>_<X/B>)とおく時、第1Chern類c_1(det π_*(L))=νであることがわかった。これを用いて、d=4の場合、つまり4次のK3曲面の場合には、det π_*(L^n)=(2n^3-3n^2+7n-3)ν/3が示せる。超曲面ではない一般のカラビ・ヤウ多様体の普遍族に対しても、上記のようなChern類の間の各種の関係式を作ることができたが、νを用いてそれらを表示するという目標は今後の課題となった。正標数のカラビ・ヤウ多様体のコホモロジー群の構造分析に関しては、カラビ・ヤウ超曲面のコホモロジーへのフロベニウスの作用を直接調べ、a-数の構造解析を行った。これにより、数理物理で近年盛んに研究されているミラー対称性との関係で、ミラーになるカラビ・ヤウ多様体ともとの多様体でa数が一致するという現象を何例か見い出した。また、カラビ・ヤウ多様体のミラーがカラビ・ヤウにならない場合にも、a数がもとと一数する例があることがわかった。アーベル多様体の場合は、ミラー多様体は双対アーベル多様体であるから、両者でa数は一致することがわかる。このことを考慮すれば、正標数のカラビ・ヤウ多様体については、ミラーともとの多様体でa数、h数は一致するのではないかと予想される。分担者の宮岡洋一氏には、オランダにおける数論曲面に対するYau-Miyaoka-Bogomolov型の不等式がabc予想解決につながるなどの結果に関する講演を初め、数論幾何方面からの研究を分担していただいた。
|
Research Products
(3 results)