2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15654012
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大津 幸男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助教授 (80233170)
|
Keywords | アレクサンドロフ空間 / ラプラシアン / ランダムネット / エントロピー |
Research Abstract |
昨年に引き続き,アレクサンドロフ空間(および,リーマン多様体)のネットのラプラシアンを用いてそれらの空間のなす空間の大域的構造の研究をおこなった.各空間のネット,つまり有限個の点,の各点を頂点としその間の距離がある値(相互作用距離)より小さいときに結ぶことより定まるグラフのラプラシアンを考え,適当にスケーリングし,全てのネットのなす空間での平均をとることによりその空間のラプラシアンが定まる.ところが,ネットの個数を固定した場合,ラプラシアンは全ての空間とネットの対に対して定義されるので,異なる空間の比較を行うことが可能となる.このようなラプラシアンをハミルトニアンとみなし,統計力学的手法を導入することが我々の新しい観点である.そのため分配関数をハミルトニアンの指数関数の跡として導入し,ネットの空間での収束を考察した.ここで指数関数を冪乗の極限としてあらわすことで,相互作用距離と冪の関係から虚時間が導入された.また,それ用いて距離空間の微小変形をネットに付随したハミルトニアンの変形とみなし,展開することを試みた.特に相対エントロピーの2次の展開を求めることを目標とし,自由エネルギーに着目しそれらの関係を調べることで形式的な展開を得た.収束については今の所証明できていない. また,京大の深谷賢治教授代表の基盤研究(S)により平成16年1月に開かれた研究集会「Riemannian Geometry and Geometric Analysis-partially focuses on Perelman's work on Ricci flow and geometrization of three-manifolds-」へ一部協力を行い,リーマン幾何およびアレクサンドロフ幾何について活発な研究交流を行った.
|
Research Products
(1 results)