2003 Fiscal Year Annual Research Report
特異的な領域変形と電磁気におけるスペクトル摂動問題
Project/Area Number |
15654013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
神保 秀一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80201565)
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Keywords | 領域変形 / スペクトル / 楕円形作用素 / 固有値 |
Research Abstract |
マクスウェル方程式の主要部をなす楕円型作用素にたいして境界条件と関数空間を適切に設定することでの定義域を定式化した.これによって有界領域における自己共役作用素を作りレゾルベントのコンパクト性を示しスペクトルの離散性を得,この作用素の固有値問題の研究を立ち上げた.まず領域に穴がある場合の問題の固有値摂動の解析を始めた.カットオフにより近似固有関数を作成して固有値の第ゼロ近似を行った.これによりラプラシアンの研究と同様のスペクトル摂動解析の道筋を得た.2次元の場合について単純な摂動固有値の特徴付けを行った.部分退化領域におけるノイマン境界条件をもつラプラシアンについては非共鳴的な固有値の1次までの漸近公式を得た.これは全ての場合を尽くしている.また,共鳴的固有値については余次元1の退化の場合でログオーダーをもつ摂動公式を得た.固定領域場の固有値と退化領域場の固有値の協働の様子が理解できた.高余次元の場合については近似固有関数の作成により固有値の変分によるマックスミニ特徴付けを援用して上からの評価を得た.これは余次元1の場合の結果からの類推により正しい予想と考えられ,次の目標が明確化された.領域に欠陥のある場合のラプラシアンについては変数係数の場合を検討中である.3次元領域中の1次元欠陥の場合は結果が得られているが,一般の場合を得るための近似固有関数を検討した.
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Research Products
(1 results)