2004 Fiscal Year Annual Research Report
マクスウェルの方程式ならびにラメの方程式に対する逆問題の解析手法の開発
Project/Area Number |
15654015
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 昌宏 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 助教授 (50182647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 玄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50118535)
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Keywords | マクスェル方程式 / ラメの方程式 / 係数決定 / 一意性 / 安定性 / デイリクレ ノイマン写像 / カーレマン評価 |
Research Abstract |
ラメ方程式およびマクスウェル方程式を主に等方性のある媒質で考察し、弾性係数などの物理的な性質が空間変数に依存するとする。このとき、境界近くの観測によってそれらの係数を決定するという逆問題の数学解析を行った。この逆問題の物理的な重要性は、たとえば弾性体の逆問題の場合を考えると明らかである;境界での応力に対応する法線微分によって媒質内部の密度分布を決定するという問題になり、地球の内部構造の決定、物理探鉱学および非破壊検査などにおける基本的な問題となる。この種の問題に対しては実用・応用上の必要からおびただしい数値計算結果がある。数学解析からの結果として要求されることは一意性・安定性などの適切性であり、これが未知係数の構成の近似解法のために必要不可欠であるだけではなく、数学の立場から応用分野の研究者に明らかにしなくてはならない知見である。しかしながら世界的にみても数学解析からの決定的な結果は知られていなかったが、数学解析的な成果が本研究計画の枠組みで明らかにされた。 研究分担者は主にデイリクレ・ノイマン写像を用いる定式化に関して研究成果を挙げた。この定式化では境界値の観測の反復(一般には無限回)を要求されているが数学的に満足すべき一意性が証明された。 研究代表者はCarleman評価とよばれる手法に基づいて有限回の観測データによって本逆問題に関して妥当な条件のもとで領域全体にわたって一次のオーダ(Lipschitz連続性)の安定性を確立した。その結果としてHadamardの意味での適切性を示した。これらの解析的成果は有効な数値解析手法の開発のために有効である。
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Research Products
(7 results)