2003 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導を用いたナノアンペア級ビーム電流強度の超高感度非破壊測定技術の開発
Project/Area Number |
15654031
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 伸一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00013433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 武司 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30013402)
池田 時皓 理化学研究所, 原子物理研究室, 研究員 (80301745)
渡邉 環 理化学研究所, 加速器基盤研究部, 先任技師(研究職) (30342877)
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Keywords | 高温超伝導 / ビームモニター / 加速器 |
Research Abstract |
ナノアンペア級のビーム電流を高感度で検出するため、平成15年度は高温超伝導を応用した検出器、シールドの方式およびそれらの技術開発に関する研究を実施した。検出器は円筒型で直径148mm長さ250mmの酸化マグネシウムの基材に、Bi2223のバルクを形成する製法とした。円筒の内側を通過するビーム電流が発生する電磁界により、対向する円筒内表面に流れる遮蔽電流を円筒外表面に作られた橋絡部に集中的に流す。この部分に流れた電流の発生する電磁界をSQUIDにより効率的に検出する方式を考案した。橋絡部については直線形状とスパイラルコイル形状を比較検討し、シミュレーション計算を行なったほか実物大常伝導モデルを製作しビームテストを行った。この結果、DCビーム電流についてはSQUID素子とコイル化の組み合わせにより1ナノアンペア級の検出感度を実現する解が得られた。このためBi2223のスパイラルコイル化のための研究を行なった。この結果、50keVのアルゴンイオンビームエッチングによりBi2223のバルク上に幅100ミクロンの細線を作ることができた。また、検出部回路の薄型化・多層化のためスパイラルコイルの中心部を外部に引き出すための超伝導スルーホールを研究した。現在までのところ長さ1mm直径1mmのスルーホールのテストを実施し、さらに細線化を目指した研究を行っている。磁気シールドについては円筒形状を基本とし、ビーム通過部に外部環境磁界が侵入しないための形状を研究した。結果的に複雑な形状になるため、あらかじめ製作したバルク状のBi2223を基材にした遮蔽体部品を作り、それらを超伝導ペーストで接着する方式を選択し実物大モデルを開発中である。考案した検出方式については特許を申請中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Watanabe, Y.Ohshiro, T.Katayama, T.Watanabe, T.Ikeda: "The possibility of the ion beam machining of the high temperature super conductor Bi2223"Proc.of the 14th Symp. on Accel.Sci.and Technology,(2003). 575-577 (2003)
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[Publications] 渡邉 環, 渡辺伸一, 池田時浩, 片山武司, 加瀬昌之, 川口武男, 佐々木雄一朗: "高温超伝導SQUIDと磁気シールドを用いた非破壊型高感度ビーム電流系の開発"Proc.of the 14th Symp.on Accel.Sci.and Technology,(2003). 99-101 (2003)
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[Publications] T.Watanabe, S.Watanabe, T.Ikeda, M.Kase, T.Kawaguchi, Y.Sasaki 他: "Prototype of Highly -Sensitive Cryogenic Current Comparator with HTS SQUID and HTS Magnetic Shield"RIKEN Accelerator Progress Report. Vol.36. 331-332 (2003)
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[Publications] 渡邉 環, 加瀬昌之, 片山武司: "SQUIDと超伝導磁気シールドを用いた高感度ビーム電流モニターの開発"低温工学. Vol.38No.9. 509-521 (2003)